[狂犬病による死者は世界で1日160人
(HealthDay News 2015年4月16日)
世界では、イヌから感染する狂犬病によって1日160人、年間約5万9,000人
が死亡しているとの研究報告が、「PLOS Neglected Tropical Diseases」
4月16日号に掲載された。
狂犬病制御世界同盟(GARC)狂犬病予防パートナーグループの研究。
GARCのLouis Nel氏は、同グループのプレスリリースのなかで「狂犬病は
たいていの場合死に至るが、ほぼ100%予防可能でもある。ヒトの狂犬病を
予防する最良かつ最も費用対効果の高い方法は、イヌに予防接種を行う
ことだ」と述べている。
ヒトへの狂犬病ワクチンの接種を進めることでも、予防を推進できる。
研究では、狂犬病による10万人当たりの死亡率はサハラ以南のアフリカ諸国で
最も高いが、死亡数はインドが最も多く、年間2万人以上にのぼることが判明
した。
アフリカおよびアジアのほぼすべての国で、イヌの狂犬病ワクチン接種率は
疾患をコントロールするのに必要な接種率をはるかに下回る。
ヒトにおける狂犬病の経済的コストは、早期死亡、収入の喪失、ヒトへの
ワクチン接種費用などの要因により、合計で年間約86億ドル(約1兆230億
円)になる。
Nel氏は、「今回の草分け的研究は、狂犬病のコントロールを改善し、
最終的に排除するための極めて重要なステップである。実際にかかる負担を
理解することで、この致死的疾患に立ち向かうために必要な資源を明らかに
し、提唱することにつなげられる」と述べている。
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