群発頭痛:三叉神経痛と誤診されることが多い | アクティブエイジング アンチエイジング

[あなたの処方せん:/27 頭痛/3 「群発」は注射や酸素吸入で治療]

(毎日新聞  2010年11月10日)


「右目の奥がえぐられるようなひどい痛み。悪化すると、右目だけ充血して
涙が出る」
さいたま市の自営業の男性(39)は毎年、夏の終わりごろになると、毎日の
ように激しい頭痛に襲われる。
痛みは明け方に起こることが多く、1日約2時間、1カ月半程度続くという。

今年9月に同市内の病院を受診し、「群発頭痛」と診断された。


群発頭痛は慢性頭痛の一種。
日本人の1,000人に1人程度が持つと推定され、患者は20~40代の男性が
中心だ。

発症の仕組みは未解明だが、何らかの原因で目の奥にある内頸動脈の血管が
拡張し、周囲の神経を刺激して痛みや涙などを引き起こすと考えられている。
季節の変わり目に発作が始まることが多い。

鈴木則宏・慶応大教授(神経内科)は「群発頭痛はじっとしていられない
ほどの激痛で、痛みを紛らわそうと頭を壁に打ち付ける人もいる。アルコール
は発作を誘発するので、特に発作期間中は控えた方がいい」と指摘する。


治療法は、痛みの神経伝達物質の放出を抑えるトリプタン系薬剤の注射
(保険適用あり)が最も効果的として推奨されている。
同薬剤の飲み薬や点鼻薬は片頭痛の治療にも使われる。

また、純度100%の酸素を医療用の大型ボンベで毎分7リットル、10~15分
吸入する「純酸素吸入法」も有効な対症療法だという。


日本頭痛学会の坂井文彦理事長(埼玉精神神経センター)は「群発頭痛は
あまり知られておらず、三叉神経痛と誤診されることが多い。頭痛に詳しい
医師に相談し、自分に合った治療法を選んだ方がいい」とアドバイスする。





http://mainichi.jp/life/health/news/20101110ddm013100172000c.html