[メチル水銀で自己免疫疾患リスク高まる、マグロやカジキはほどほどに]
(Medエッジ 2015年2月20日)
<低レベルなら安全だとされているが>
魚を食べたり、国によっては使われる歯科の埋め物になるアマルガムを
使ったりすると、低レベルの有機メチル水銀、無機水銀に慢性的にさらされる
と分かっている。
メチル水銀は「自己免疫疾患」のリスクにつながる可能性があることが
分かった。
<16歳から49歳の女性で検証>
米ミシガン大学のエミリー・C・ソマーズ氏らの研究グループが、エンバイロ
メンタル・ヘルス・パースペクティブス誌で2015年2月10日に報告して
いる。
研究グループによると、水銀によって異物から体を守る免疫の調節に異常が
生じる可能性が指摘されているが一般のデータは多くはない。
リウマチやアトピー性皮膚炎をはじめとした病気が知られている。
研究グループは、血液検査上の水銀の濃度、自分自身を免疫が攻撃する指標に
なる「抗核抗体陽性」、その強さについてその関連性を検証した。
米国全国健康栄養調査1999~2004年を基に、16歳から49歳の女性1352人を
対象として、水銀と抗核抗体の関連を調べた。
水銀にさらされているかは、髪、血液、尿から調べた。
<髪と血液で関係>
結果、女性の16%は抗核抗体を持っており、自己免疫疾患の傾向が見られた。
水銀は、髪が0.22ppm、血液が0.92µg/L、尿が0.62µg/Lという濃度で確認
できた。
髪と血液の水銀は高くなるほど、抗核抗体を持つ傾向が見られた。
低い人と比べると、高い人の危険度は、髪が4.10倍、血液が2.32倍だった。
抗核抗体の強さが高まるとさらに強く、危険度は髪では11.41倍、血液では
5.93倍となっていた。
メチル水銀は低レベルであれば安全だと考えられているが、将来的に自己免疫
疾患のリスクにつながる可能性があると研究グループは見ている。
日本でも大型魚で問題を指摘する動きもある。
厚生労働省のまとめでは、マグロやカジキ、クジラ、サメなどで高い。
注意したい。
http://www.mededge.jp/b/heal/9011