口周りのしわは男性よりも女性の方ができやすい | アクティブエイジング アンチエイジング

[口周りのしわは男性よりも女性の方ができやすい]

(HealthDay News  2009年12月17日)


女性は、加齢とともに口の周辺に男性よりも深いしわが多数できることが
明らかにされた。
これは以前から疑われていたことだが、新しい研究で「反論しようのない
科学的エビデンス(根拠)」が得られたと、医学誌「Aesthetic Surgery
Journal(美容外科)」編集長のFoad Nahai博士は述べている。
この研究は、同誌の11/12月号に掲載された。


報告者であるオランダ、ユトレヒト大学メディカルセンターのMoshe Kon
博士は、「以前から男性の皮膚は女性よりも老化が遅いという印象があったが
今回の研究で、その理由の1つが女性には汗腺や皮脂腺が少なく、皮脂の
産生が少ないためであることがわかった」と説明する。

女性ではしわ取り治療を受ける人が男性よりも多い傾向があるが、これは
女性の方が外見を気にするためなのか、実際にしわが多いためなのかは不明
だという。


今回の研究では、男女の死体の唇上部のしわを調べるとともに、その部位の
再建を実施した。
その結果、いくつか鍵となる性差が明らかになったという。

女性は男性よりも口周辺の血管が少なく、血流も少ないことに加え、男性に
比べて口周辺の筋肉が皮膚の近くにあるため、皮膚が引っ張られやすく、
しわができやすいこともわかった。
また、毛嚢の数には性差はみられなかったが、男性は毛嚢に対する汗腺の数が
多いことも明らかになった。


このほか、女性の皮膚の老化にはホルモンも関与しているという。
米マイアミ大学ミラー医学部のSeth Thaller博士は「健康や疾患に関する
性差の多くはエストロゲンが関連している」と述べている。
例えば、エストロゲンには治癒を促す作用があるため女性は傷の治りが速い。
また、閉経後の女性は血流が減少し、これがしわの一因となっている。
汗腺から分泌される皮脂も少なくなる。
一方、ホルモン補充療法(HRT)を受けている女性はしわが少ないことが報
告されている。


米ニューヨーク大学ランゴンLangoneメディカルセンターの Jessie Cheung
博士は、著者らが言及していない骨の変化について指摘している。
「加齢とともに、顎骨が徐々に縮小することによって、テントのように皮膚を
支える足場がなくなり、皮膚が垂下する」と同氏は説明する。
加齢により組織も薄くなる。
このような変化を改善するには、「喫煙を避け、日光を避けるとともに皮膚の
湿度を保つのが最善の方法」とNahai氏はいう。
「今回の知見が、男女差を考慮した外用薬の開発につながる可能性もある」と
Kon氏は付け加えている。



http://www.healthdayjapan.com/