[痛みがない大人の虫歯にご注意を!]
(あなたの健康百科 2017年05月18日)
<年齢を重ねると虫歯に気付きにくくなるという事実>
歯が痛いと想像以上に生活しにくいものだ。
痛いと慌てて歯科医院に行ったり、予約を取ったりするが、特に痛くもない
場合、歯科にはなるべく近寄りたくないのが心情だ。
しかし、年齢を重ねると自覚のない虫歯が増えるという。
サンスターグループでは、一般企業などで実施している産業歯科検診の受診者
38,476人(20~69歳の男女)にアンケートを行い「大人の虫歯」の実態を
まとめた。
<虫歯があっても気付かない人が40歳代から急増>
厚生労働省歯科疾患実態調査(平成23年)によると、子ども(5歳以上10歳
未満)で虫歯を持つ割合は10%であり、20歳以上80歳未満では80%以上に
上った。
過去の調査と比較すると、5歳以上25歳未満では虫歯は減少する傾向に
あるが、45歳以上では増加している。
年齢を重ねると、初回の虫歯治療後の詰め物の隙間に虫歯菌が入り込むことに
よって再発を引き起こす「二次う蝕(再発虫歯)」や、加齢や歯周病によって
歯茎が下がり、歯の根元の象牙質が露出することで歯の根元にできる
「根面う蝕(根元虫歯)」が生じる。
こうした虫歯を「大人虫歯」とした。
今回の調査では、虫歯のある74%の人が「歯が痛む」「しみる」とは感じて
いないことが分かり、年齢を重ねると虫歯に気付きにくくなるという傾向が
明らかになった。
また、虫歯を自覚していない人の割合を年代別に見てみると、20代の約68%
から40代になると約76%に増加しており、40代を境に症状を自覚しにくく
なる傾向があることが分かったという。
サンスター財団の鈴木秀典先生によると「二次う蝕は数回に渡る治療により
神経を取り除いた歯である確率が高く、痛みを感じにくい虫歯です。また、
根面う蝕は歯茎が下がって露出した歯根に発症するため、ある程度、高齢の
方に特有。虫歯の深さの割には痛みを感じにくい特徴がある」という。
予防するためには、「定期的に歯科院を受診し、検診とともに歯の
クリーニングやフッ素塗布などのケアを受けること」に加えて、「家庭に
おけるフッ素入りハミガキ剤やフッ素入り洗口剤の活用」を勧める。
(あなたの健康百科編集部)
http://kenko100.jp/articles/170518004307/#gsc.tab=0