卵や肉に含まれるアスパラギンは脳の発達にも不可欠 | アクティブエイジング アンチエイジング
[卵や肉や乳製品に含まれるアスパラギンは
体だけでなく脳の発達にも不可欠と判明:加大学研究]

(IRORIO 2013年11月26日)


肉や卵や乳製品に豊富に含まれる、アミノ酸の1つであるアスパラギンは、
体内での有毒なアンモニアの代謝に不可欠とされている。

これに加えて最新の研究により、脳の発達にも欠かせないことが明らかに
なった。

しかし食べ物を通じて体内に摂りこまれたアスパラギンは、血液脳関門の
せいで脳にまで運ばれづらいため、場合によってはより多くのアスパラギンを
摂取する必要が明らかになったという。



カナダ・モントリオール大学Jacques Michaud博士はこの度、体細胞と同じく
脳の神経細胞も、正しく機能するにはアスパラギンの局所合成に頼っている
事実を発見した。


発見のかげには3年前ケベックに於いて、ある一家を襲った悲劇があったと
いう。
一家の三男坊は珍しい遺伝的疾患を抱えており、先天性小頭症や知的障害、
脳萎縮症、難治性発作を発症し、1歳になる前に亡くなった。
一家が同じ病で子どもを亡くすのはそれが3度目だったという。


この悲劇を目の当たりにした同博士は、この発達障害の原因となる遺伝的
異常について調べ始め、今回の発見につながった。

先に述べたアスパラギンを多めに摂取する必要がある人とは、障害を持って
いる人というわけだ。
「奇跡の薬の段階には至っていないが、やっととっかかりを見つけることが
できた」と同博士。

同博士が率いる研究チームは、アスパラギン合成の変異コードに影響を受け
た遺伝子を特定し、またアミノ酸アスパラギン合成に必要な酵素の特定にも
成功した。

「健常者にとっては脳内のアスパラギン合成酵素の値は神経細胞を供給する
には十分なようだが、障害者にとっては十分とは言えず、アスパラギンの
枯渇は脳の発達における細胞の増殖や生存に影響する」と同博士は述べて
いる。

同博士も念押ししているように、まだ手放しで喜べる段階ではないようだが、
障害者の治療にとっては前途に光明を見出せたと信じたい。




http://irorio.jp/sousuke/20131126/90874/