[中高の学校開始時間は8時30分以降に 米国学会の提案を受けて調査]
(Medエッジ 2015年3月1日)
<分かれている中高生の親の意見>
「学校が始まる時間を8時30分以降に」
そんな議論が米国ではあるようだ。
<8時30分の分岐点>
米ミシガン大学C.S.モット子ども病院による「子どもの健康に関する全米
調査」が明らかにしている。
学校の始業時間は、学校ごとにばらばらだ。
日本でも学校ごとに始業時間を分けているようだ。
米国でも状況は同じ。
2013年、米国小児科学会が「中学高校は8時30分以降に始まるべき」と
提案。
この方針を受けて、調査は2014年11月から12月に行われた。
対象となったのは、学校の開始時間が8時30分より早い中学高校に通う
13歳から17歳の親だ。
<半分が「遅く」を支持>
学校の始業時間を8時30分よりも遅くするか、早いままで良いかは意見が
分かれているようだ。
遅くなると睡眠時間が増えるという回答は約40%、学校の成績が良くなると
いう回答は約20%となった。
その一方で、開始時間が遅くなることでスケジュールに影響を及ぼすと考える
親もいた。
約20%は放課後活動に十分な時間を取れないと回答、約15%は通学に影響が
出ると回答した。
およそ半数の親は開始時間を遅くすることを指示していた。
そのうち半分は学校の予算に影響を及ぼさなければという条件付き。
<思春期は「眠い」>
米国小児科学会は、子どもは毎晩8時間30分から9時間30分は寝るよう
勧めている。
従来の研究によると、10代の子どもの自然な睡眠リズムは、思春期が始まると
2時間遅くなると分かっている。
幼い子どもよりも遅く寝て遅く起きるというサイクルのずれが生じるという
わけだ。
「10代の子どもは慢性的に睡眠不足。心身の健康にマイナスの影響を与え
かねない。彼らの自然な睡眠リズムに学校の開始時間を合わせることで、
健康になる可能性はある」と研究者は述べる。
睡眠不足は心の健康にも結びつき、自動車事故のリスクを高めたり、学校の
成績が下がったりする。
日本でも早めの始業時間を採用している学校では参考とすると良いかも
しれない。
http://www.mededge.jp/a/pedi/9556