[外で日光を浴びる時間を増やすと子どもが近視になりにくくなることが判明]
(IRORIO 2015年09月23日)
2015年09月23日 09時00分
視力はいいに越したことがないが、現実には多くの人がメガネやコンタクト
レンズのお世話になっている。
中国では、高校を卒業した人たちの8~9割が近視という地域もあるそうだ。
幼い時期に近視を発症すると、症状が進みやすく、視力障害につながることも
あるというが、中国の広州、中山大学の研究により、日光を浴びる時間を
増やすと、子どもが近視になりにくくなることが分かった。
<日光を浴びる時間を40分追加>
研究チームは、広州内12の小学校を2つのグループに分け、一方のグループ
6校では、1年生(平均年齢7歳)853人に1日40分、外で過ごす時間を
増やしてもらい、対照群となるもう一方の6校では、同じく1年生726人に
これまでの通りの過ごし方をしてもらった。
<近視の発症リスク/進行度が低下>
3年後に近視の発症率を調べたところ、外で過ごす時間、すなわち日光を浴びる時間を増やしたグループは近視の発症率が30.4%、対照群の発症率は39.5%
との結果となった。
これを近視になるリスクに換算すると、日光を浴びる時間を増やした場合、
リスクが23%低下することになるそうだ。
さらに、3年間で近視になったケースを比較しても、日光を浴びる時間を
増やしたグループの子どもは対照群の子どもより進行の度合いが小さいことが
分かった。
<休み時間にはなるべく外へ>
日光を浴びることが近視の予防につながる明確な理由は分かっていないが、
これまでの研究により、光を浴びると分泌が促進されるドーパミンが関与して
いると考えられている。
研究を率いたMingguang He博士は、学校の休み時間にはなるべく子ども
たちを外で過ごさせ、家庭でも休日には外で過ごす時間を多く作ることを
勧めている。
中山大学の研究結果は『JAMA』に発表された。
http://irorio.jp/kondotatsuya/20150923/261767/