[“歯”の金属アレルギー増えています]
(ZAKZAK 2014年9月4日)(女医ドル やすらぎの処方箋)
今回は歯科治療で使用される金属についてのお話です。
お口の中に装着している入れ歯や金属の詰めもの、かぶせものなど、歯科
治療で使用される金属によるアレルギーの報告が、近年増加してきています。
金属アレルギーは、金属がイオンとなって溶け出し、体内のタンパク質と
結合し、アレルゲンとなることで引き起こされます。
歯科治療用金属では主に、水銀、ニッケル、コバルト、パラジウム、クロムが
アレルゲンとなり問題を引き起こすといわれています。
これらが原因となり、扁平苔癬や掌蹠膿疱症、舌炎、口内炎、歯肉炎などを
引き起こします。
また、金属イオンが血流によって全身に運ばれると、全身性のアレルギー性
皮膚炎を起こすこともあります。
特にアマルガムは水銀やスズなどの重金属を含んでおり、神経毒性が強く、
アレルギーの他、不眠や頭痛、肩こりなど、さまざまな症状を引き起こすと
いわれています。
重金属が体内に蓄積するとホルモンバランスの乱れや免疫力低下の原因となる
ことも指摘されています。
これらアレルギーなどの症状を起こしにくい金属としては、金、白金などが
あげられます。
そして、インプラント治療などで用いられるチタンも、アレルギーを起こしにくい金属の1つです。
歯科治療を受けて以来、なんだか体調が優れない。
お口の中に、治りにくい口内炎や何らかのトラブル、または皮膚トラブルが
ある・・・などの症状がみられ、それが歯科用金属が原因とされる場合は、
外用薬や内服薬では治癒しないため、お口の中の原因となる金属を除去し、
別種の金属や陶材に置きかえる治療が必要となります。
金属アレルギーを心配される方はパッチテストなど、1度しっかりとした
検査をすることをお勧めします。
また、金属を一切使用しない治療も可能です。
アレルギーを心配される方や、これから新たに歯科治療をされる方で、どの
ような材料を選択したらいいかお悩みの方は、一度ご相談ください。
http://www.zakzak.co.jp/health/doctor/news/20140904/dct1409040830003-n1.htm