掌蹠膿疱症を治す方法は? | アクティブエイジング アンチエイジング
[掌蹠膿疱症を治す方法は?]

(毎日新聞  2007年9月8日)


<からだと心相談室>
20年ほど前から、両足の裏が皮膚病になりました。
「掌蹠膿疱症(しょうせきのうほうしょう)」と診断され、病院を3回ほど
変えましたが、いまだに治りません。
一生治らないという先生もいます。
何とか治す方法はないのでしょうか。
(70代・女性)



<歯科金属や扁桃炎が原因のことも>
「掌蹠膿疱症」は手のひら(掌)と、足の裏(蹠)に無菌性膿疱がたくさん
できる、なかなか治りにくい病気です。
多少かゆいこともあり、皮膚が切れて痛いために歩けないこともあります。
手のひらは親指と小指の下、足の裏は「土踏まず」の部分によくできます。
春から夏にかけて悪化し、よく水虫と間違われます。

膿疱性乾癬と似た疾患で、ひざやひじの外側に乾燥した湿疹、爪の陥凹が
みられることもあります。

胸骨、鎖骨の関節炎のために胸の痛みを訴える患者さんもいます。



病気の原因としては、扁桃腺にすみ着いた溶連菌に対するアレルギー反応が
考えられます。
体の中の細菌やウイルスがアレルギーの原因になっているわけです。

また、異常な腸内細菌、蓄膿症、歯槽膿漏、虫歯なども原因の可能性があり
ます。

扁桃炎の場合は、とりあえず、採血してみてください。
このタイプの治療となると、扁桃腺を摘出するなどの手術、抗生剤の内服が
必要となります。
効果はさまざまで、内服の場合は改善されても、いったんやめると、悪化する
傾向があります。


歯科金属のアレルギーも、「掌蹠膿疱症」に関係します。
歯科金属に含まれるコバルト、ニッケル、クロム、水銀などの金属が体内に
入ると、発疹ができます。
金属のパッチテストでアレルギーの有無を判定します。

治療としては義歯をアレルギーが起こりにくいものに替えます。
ただし、結構費用がかかるうえに、金属が体内に蓄積していると、必ず改善
するとは限りません。


ステロイドやビタミンDなどの外用剤が使われますが、それだけでよくなる
ほどの効果はありません。

内服剤としては、抗生剤のほかにエトレチネート(ビタミンA誘導体)や
シクロスポリン(免疫抑制剤)などが有効です。


難治性であり、ストレスでも悪化しますので、そのうち改善するという
気持ちでのんびり病気と向き合ってください。




(遠藤アレルギークリニック院長・遠藤薫先生:皮膚科)




http://www.mainichi-msn.co.jp/kurashi/kenko/QandA/news/20070908ddf012070010000c.html