アルツハイマー病の亜型が見逃されている可能性 | アクティブエイジング アンチエイジング
[アルツハイマー病の亜型が見逃されている可能性]

(HealthDay News  2014年5月2日)


新たに特定されたアルツハイマー病の亜型を抱える多くの患者が、誤った
診断を受け、適切な治療を受けていないことが、米メイヨー・クリニック
(フロリダ)の研究チームから報告された。


今回の研究では、1,800人強のアルツハイマー病患者の脳を分析した結果、
11%が「hippocampal sparing AD」と呼ばれるアルツハイマー病の亜型で
あることが突き止められた。

米国では約520万人がアルツハイマー病に罹患していることから、そのうち
約60万人がこの亜型であることになるという。

の知見は米フィラデルフィアで開催された米国神経学会(AAN)年次学術
集会で発表された。


hippocampal sparing ADの患者は男性に多く、他のアルツハイマー病患者
よりも大幅に若い年齢で罹患していることが、今回の研究で判明した。

この亜型の症状は、脳の記憶中枢である海馬を侵す最も一般的なタイプの
アルツハイマー病とはまったく異なることが多く、その症状には頻繁な
かんしゃくなどの行動障害、視覚障害、手足が自分のものでなく正体不明の
「外部の力」に操られている感覚などがあると、研究グループは述べている。

この亜型の患者には、一般的なアルツハイマー病患者よりも急激な衰えが
みられることもわかった。
「しかし、患者の多くは正常に近い記憶力を有するため、根底にある神経
病理に合致しないさまざまな障害と誤診されることも多い。残念なのは、
この亜型の患者がよく診断を見過ごされる一方で、現在発売されている
アルツハイマー病治療薬は、おそらく一般的な型のアルツハイマー病よりも、
この海馬回避型の患者に最も有効であることを示唆する新たなエビデンスを
得ていることである」と研究著者で神経科学助教授のMelissa Murray氏は
述べている。


なお、今回の研究は学会発表されたものであり、ピアレビューを受けて
医学誌に掲載されるまでは予備的なものとみなす必要がある。





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