最終警告!たけしの本当は怖い家庭の医学
テーマ: 『本当は怖いのどの腫れ~紅い兆し~』
H・Mさん(男性)/40歳(発症当時) サラリーマン
証券会社の営業課長H・Mさんは、子どもの頃から扁桃腺が腫れやすいのが
弱点。
大人になった今でも、無理をするとすぐのどが腫れ熱を出してしまうため、
風邪からくる発熱にも慣れっこになっていました。
そんな中、毎年行なわれる健康診断で「タンパク尿」と診断されたH・M
さん。
何ひとつ自覚症状がなかったため、再検査を受けずにいましたが、翌日から
奇妙な異変が起こり始めます。
<症状>
(1)のどの腫れ
(2)尿が泡立つ
(3)透明な尿
(4)多尿
(5)口から尿の臭いがする
(6)呼吸困難
<病名>慢性腎炎
<なぜ、のどの腫れから慢性腎炎に?>
「慢性腎炎」とは、腎臓で炎症が発生。
腎臓の働きが著しく低下し、最悪の場合、命にかかわる病です。
潜在的な患者まで含めると、40~50代を中心に年間20万人から30万人が
この病気にかかっていると考えられています。
そんな慢性腎炎の発病が最も早く確実に分かるのが、他でもない尿の異変。
そう、彼が軽く考えていたタンパク尿です。
そもそも腎臓の機能で1番大切なのは、血液に含まれるタンパク質などを体に
取り込み、不要な老廃物を尿とともに排出するというもの。
ところが、慢性腎炎になると腎機能の低下から老廃物をうまく排出せず、
逆に、体に必要なタンパク質を排出してしまう現象が起きます。
そのため、タンパク質により尿が泡立つようになり、老廃物が含まれない無色
透明な尿になってしまうのです。
排出されない老廃物は毒素となり、血液中に充満。
そしてついに、この毒素に全身を蝕まれた結果、心臓を冒され、心不全から
呼吸困難に陥ってしまったのです。
では、H・Mさんはいつ慢性腎炎になってしまったのでしょうか?
実は慢性腎炎は、風邪で扁桃腺が腫れやすい人ほど、かかる危険性が高いと
考えられています。
子どものころからよく風邪を引き、扁桃腺を腫らしていたH・Mさん。
この時、炎症が起きた扁桃腺になんらかの原因で異常な物質が発生。
血管を通り腎臓に溜まり続けていたのです。
その後も風邪で扁桃腺を腫らすたび、H・Mさんの腎臓に溜まった物質は
徐々に増加を続け、ついに慢性腎炎を発症させてしまいました。
この病気の最も厄介な点は、腎臓の機能が極度に低下するまで、ほとんど自覚
症状がないまま数十年をかけて悪化していくこと。
だからこそ、普段から尿の状態に気をつけることが大切なのです。
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