最終警告!たけしの本当は怖い家庭の医学
「本当は怖いアゴの音~踏み込んだ迷宮~」
M・Kさん(女性)/25歳(当時) OL
経理部で働くM・Kさん(25歳・女性)は、几帳面な性格で仕事もきっちり
こなすタイプ。
決算に向けて任される仕事も多く、連日残業続きでしたが、ある日、食事を
しようと口を大きく開けたとき、アゴがカクッと音を立てるのを感じました。
その後もアゴは時々鳴るものの慣れてしまい、特に気にとめていません
でしたが、奇妙な異変が続きます。
<症状>
(1)アゴが鳴る
(2)肩こり
(3)頭痛
(4)背中の痛み
<病名>顎関節症からうつ病
<なぜ、アゴの音から顎関節症からうつ病に?>
「顎関節症」とは、アゴを支えている関節部分と周りの筋肉が異常をきたし、
痛みや口が開かないなどの症状が現れる病。
やわらかい物中心の食生活でアゴの筋肉が弱っていることに加え、噛み合わせ
の悪さなどが重なり発症すると考えられています。
潜在的な患者を入れると、その数はなんと2人に1人と言われ、特に多いのが
20代から30代の女性なのです。
M・Kさんを最初に襲った、あのアゴの音。
あの音は、上アゴと下アゴの間でクッションの役目を果たす部分がずれた
ために鳴ったものだったのです。
その後に続いた、肩こりや頭痛、背中の痛みといった症状。
これらの症状は、アゴの関節のずれと周りの筋肉の緊張状態が続き、
起こったと考えられます。
さらに、彼女の場合、その症状に拍車をかけたのが、うつ病でした。
「うつ病」とは、ストレスや脳内物質の異常など様々な原因からなる心の病。
10人に1人は罹るとも言われ、最近患者が増え続けている病気です。
M・Kさんの場合、しつこく続く症状の原因が、複数の病院で診てもらった
にも関わらず、全く分からなかったことに対する苛立ちが強いストレスと
なり、精神的に追い込まれていきました。
こうして、ついにうつ病を発症してしまったのです。
肩こりや頭痛はうつ病によっても起こるため、こうなると、どこまでが
顎関節症による症状か判別するのは極めて困難です。
そして最近、M・Kさんのように、「顎関節症」と「うつ病などの精神的な
問題」を併発する人が増え、全体の3割を占めると言われているのです。
現在、M・Kさんはアゴと精神面の両方の治療を行って、徐々に元気を取り
戻しつつあります。
顎関節症は必ずしもうつ病を併発する訳ではありません。
しかしM・Kさんのように、痛みや病に対する不安といったストレスが、
さらに病を悪化させてしまうケースもあるのです。
「顎関節症にならないためには?」
(1)「歯を食いしばる」、「片側だけで噛む」、「頬杖をつく」、
「うつ伏せで寝る」など、 アゴに負担をかける生活習慣を避ける
ことが大切。
(2)必ずしもうつ病を併発するとは限りませんが、 様々な症状が大きな
ストレスとなりうる事も事実。
(3)もし生活に支障が出るようなら、歯科や口腔外科で相談されることを
おすすめします。
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