[本当は怖いしゃっくり~ある受付嬢の豹変~]
最終警告!たけしの本当は怖い家庭の医学
Y・Mさん(女性)/28歳(当時) 大手商社の受付嬢
熱心な仕事ぶりが買われ、今では新人の教育係を頼まれることも多かった
Y・Mさん。
いつものように訪問客を応対していた、その時、突然しゃっくりが出て
止まらなくなりました。
最初は深く考えることもなかったそのしゃっくりこそ、彼女の身に迫る
恐ろしい病の産声だったのです。
<症状>
(1)しゃっくり
(2)突然の嘔吐
(3)耳が遠くなる
(4)リズムのある頭痛
(5)性格の変化
<病名>脳腫瘍
<なぜ、しゃっくりから脳腫瘍に?>
脳腫瘍とは、その名の通り、脳に出来た腫瘍が周りの脳の神経に影響を与える
ことで様々な障害を起こす病。
なぜ腫瘍が出来るのかその原因はまだわかっていませんが、腫瘍が出来る
場所によって現れる症状は千差万別です。
Y・Mさんの場合、腫瘍は小脳と脳幹を包む髄膜に出来ていました。
彼女の最初の症状、しゃっくりは、脳幹の呼吸を司る部分が腫瘍に圧迫された
ことにより、呼吸のリズムが乱れたため。
そして突然の嘔吐も、胃の動きをコントロールする中枢が圧迫されたため
でした。
しかし処方された薬で治ったと勘違いしたY・Mさんは、2度と病院を訪れる
ことはありませんでした。
そしてその間にも、腫瘍はどんどん大きくなっていったのです。
半年後、耳が聞こえなくなってしまったのは、腫瘍により耳の神経の働きが
阻害されたため。
そして突然の頭痛は、巨大化した腫瘍が脳の中の髄液の流れをせき止めた
ために起きたもの。
行き場を失った髄液が脳室に溜まり、脳全体を膨張させ痛みを引き起こしたの
です。
この時点で適切な処置を受けていれば、Y・Mさんは充分に助かっていま
した。
しかしついに最終警告の時が。
きちんとしていた服装がだらしなくなる。
突然怒り出すといった激しい性格の変化。
これも腫瘍によって、脳の性格と感情を司る部分が正しく働かなくなった
ため。
さらに腫瘍は致命的な部分に到達。
呼吸を司る呼吸中枢を押しつぶし、Y・Mさんは命を奪われてしまったの
です。
女性の方が男性よりおよそ2倍発症する、この病。
その理由はまだわかっていません。
しかし悪性でない限り、早期に発見して治療をすれば、ほとんどの場合、命は
助かります。
だからこそ症状を見逃さないことが最も重要なのです。
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