さて、今週末でしたね、オースティン戦。僕はてっ
きり来週かと思いまして失礼しました。
そんなオースティンにまつわるお話を拾ってみまし
たのでお届け致します。
まずライダーについて、
MotoGPにおけるアメリカ人の割合と言えば、イタ
リアと並んで最高クラスで最も多くの世界チャンピオ
ンを輩出した国であるそうで、
500ccで5人、MotoGPで1人です。
なお出場と言う点ではモルビデッリが負傷して代役
を務めた2021年のアッセン(オランダ)から参戦した、
ギャレット・ガーロフが最後のアメリカ人ライダーで
した(違ってたら済みません)。
対照的に、MotoGPでフル参戦したのは2015年の
故ニッキー・ヘイデンが最後で、その後はアメリカ人
最高峰ライダーが途絶えておりますな。
という訳でアメリカ企業が買収しトラックハウスが
apriliaチームとなり、合衆国のライダーが出て来て欲
しいところでもありますね。この辺の話はまた別途。
さてあとは、オースティンにおけるブレーキ負荷と
言う事で、
ブレーキと言えばブレンボ、MotoGP装着率No1を
誇るメーカーでありますが、オースティンにおける
ブレーキの負荷に着いてピックアップしてみましょう。
まずブレーキ負荷についてブレンボはこのオーステ
ィンのレベルは『中』としており、難しいサーキット
として捉えている様です。
ここでの最高速は338km/h!にも及び、そこから
65km/hまで6秒も掛からず減速し、その時のディスク
(当然カーボンです)温度は一気に700℃に達するそう
です。
実はアルゼンチンが国家予算の都合でキャンセルさ
れてしまい、その間が空いてしまってのオースティン
でして、このサーキットの特徴は、
勾配が11%を超える第1コーナーは、最高地点と最
低地点の高低差がなんと41mもあるそうです。
ブレンボのエンジニアによると、この全長5.1kmの
コースはこんな急勾配がありながら程度の負荷の部類
は中までの部類に入るそうです。
と言うのも、最初の10もあるコーナーでライダーが
ブレーキを掛けるのは3回だけで、14コーナーから18
コーナーに掛けては1回と言います(あくまで平均)。
なのでブレーキを使うのはコーナーの割合で行くと
1周あたりレースの26%だそうです。とはいr1コーナー
におけるブレーキングはどんぐらいスゴいかと言えば、
ライダーがレバーに5.8kgの荷重をかけている間、
MotoGPマシンは、
時速338km/hから65km/hまで5.8秒で減速を終え
るのですがその仕事は加速から減速を含めてたったの
293mで収まるそうで…スゴい。
更にその時のライダーが受ける減速Gは1.5G!体重
の1.5倍もの減速Gを6秒弱耐えるのです。
そしてブレーキフルードの圧力は1.25MPaに!この
圧力がどんくらいスゴいかと言うと、
1cm四方の面積に127kgの圧力が掛かっている事に
なります。
更に
この時のディスク温度は690℃の達すると言いますか
らブレーキがどれ程過酷かは想像に難くありませんね。
ちなみに…
参考までに、この1コーナーの場合にどの程度の圧
力でMotoGPのフロントブレーキパッドはカーボンデ
ィスクを掴んでいるかを計算してみますと、2枚ディス
クで4枚のパッドがありますから、1枚あたりの面積は
一般的なブレンボブレーキパッドの大きさは、
3cmX10cm
の長方形(実際はディスクに沿った円弧形状)として
大体この程度の大きさとします。
つまり、30cm2の面積の4枚分という事で、
120cm2 = 30cm2X4枚
と言う事になります。これに先程の圧力から導いた
荷重127kg/cm2あたりを計算しますと、
15,240kg = 120cm2 X 127kg/cm2
スゴイ!15トンもの圧力がパッド全体をディスクに
押し付けて速度エネルギー熱エネルギーに変換してい
るんですね、驚きだ。
ま、そう言う訳で、オースティン戦、楽しみに観て
参りたいと思います!