アメリカのイリノイ州は寒さで定評のある地域です

が、ここ今年2024年1月、二桁台の大寒波が襲来して

おり、


 テスラの各モデルがこぞってスーパーチャージャー

ステーション、つまり充電場に集合して充電を試しみ

るも、


 充電出来ず、単なるテスラ車の墓場となっているそ

うです。


 これはイリノイ州だけでなく、他の州での寒冷地で

もバッテリー車は次々と不動に陥っているのです。


 実は、というかこれが今現在リチウムイオンバッテ

リーの最大の弱点なのです。


 バッテリーはどんな化学バッテリー、例えば一般的

な鉛バッテリーでも氷点下以下、特に-10℃を下回る

環境下では性能は通常時の2/3くらいになってしまい

ます。


 通常のバイクや車についている、鉛バッテリーなら

まだ大丈夫なんですが、こと電気自動車のバッテリー

となるとそうは行きません。


 ところでバッテリーの性能は、一概にはこう、と断

言出来ないのですが、まあ平たく言って間違いではな

いので、


 バッテリーの性能は、電圧、ボルト、Vで表される

電圧で語って良いと思いますのでここからは電圧でお

話しさせて頂きます。


 さて、この電圧は、温度と共に上下し、


 外気温度が高いと電圧は上がりやすく、


 外気温度が低いと電圧は低くなります。


 電圧が低いと言う事は、性能が低い、と言う事にな

り、結果それはどういうカタチで跳ね返るかというと、


 走行距離に影響します。つまり、いつもの距離が走

れなくなります。


 ズバリ、走行距離が短くなると言う事です。


 更にタチが悪い事に、電池自体が冷えていると、

電池自身が本来使えるはずの【領域】が、冷えによる

「結界(影響)」で使えなくなってしまい、


「ボクの性能は(低い状態)今で精一杯!!」


 と使用範囲が限定されてしまうのです。


 そこで電気自動車のバッテリーには、氷点下になっ

た場合、不凍液を加熱させてバッテリーを暖める機構

が付いており、これでバッテリー容量の低下を回避し

ているのですが…


 このヒートポンプ、大概のBEVには搭載されている

んですが、そうは言っても-10℃以下になると非常に

動作が厳しいのです。


 そのヒートポンプを動かしたりヒーターの電源とし

てつかう電源は当然クルマに搭載されたバッテリーな

ので、


 氷点下-数十℃では、この本体のバッテリー自体が

パワーを失い、自身を温めることも出来ずに作動不良

を起こしてしまうのです。


 この様な状況が現在、アメリカで寒波を受けている

地域では電気自動車、特にテスラが動かないと騒ぎに

なっているという事です。


 また、電気自動車は走行中に熱エネルギーを殆ど出

さない点が皮肉にも人間や自身の環境に影響します。


 例えば電気自動車は走行中、殆ど無駄な熱を発しま

せん。言い換えれば、電池内の電気を大変効率良く変

換して運動エネルギーに換えており、エネルギー変換

率が高い事が頷けます。


 一方ガソリンエンジンやジーゼルエンジンは、動い

ている最中は発熱し、エンジン本体も冷却水で冷やす

必要があり、その分、ガソリンや軽油を燃やして得ら

れるエネルギーがクルマを動かす事以外に使われてし

まうので無駄でありますが…


 しかし、この余熱によりクルマを温めたり暖房とし

て利用出来たり出来るのも事実であり意外な利点でも

あります。逆に言えば、エネルギー変換率は悪いが、

熱エネルギーは予熱で利用できる、だが、


 完全バッテリー車は走行エネルギーも暖房等等の

エネルギーも同じメインバッテリーから消費しなけれ

ばならないので、現在のバッテリー技術ではガンガン

にエアコンを使った運用をしていると、バッテリー容

量が少なくなってしまうのは否めません。


 それは夏場も同じになります。


 まあ見る方向からすれば、バッテリー車を完全否定

しているかも知れません、その点では申し訳ないとも

思っています。


 でも、ボクが生きている限り絶対にバッテリー車を

買わないのは最もな理由があるからです。


 次回は、その致命的欠点である充電についてお話し

してみたいと思います。