一歩踏み込んだところで、実は理解できるかという
と理解して貰えない事はライディングでは沢山存在し
ます。
例えば空気圧、基本的な事としてメーカー指定の
場合、冷感の場合は殆どリアがフロントより高い設定
になっていると思います、公道タイヤの場合。
ミシュランのリア冷感は低過ぎですが。1.5は低過
ぎだと感じます、その意図は解ります。
あ、と、以下から圧力の単位はパスカルに統一しま
す。kgf/cm2だとSI単位準拠ではない為です。因みに
kPaからkgf/cm2の変換は1/100にする、100で割れ
ばOKです。
大概、フロントは210-220kPa、そしてリアは220
から240kPaの間でしょう。高度な走行会でない限り
約標準より1-2割程度落とす、が標準になっています。
フロントは初期旋回で踏ん張り、高い荷重を進入の
時に受けるので冷感で220kPaあれば中級者向けであ
れば充分でしょう。それ以上低いと、旋回時にハンド
ルが重く感じて切れ込む感覚が強く感じるので、低く
させて不安をライダーに抱かせない事が大切だと思う
からです。
一方でリアも低くし過ぎない理由も同じで、
旋回時に軽快さと向き替えが鈍くなり、曲がらなく
なる、という印象を抱かせない為だと思います。
これを頑なに信じている人がいますが、ツーリング
スポーツタイヤであれば、その空気圧で正解ですとい
う所で、レーシング系タイヤではないので低くし過ぎ
ない点は大切です。ゴムの性質も内部構造も全く違う
ので、ツーリング系スポーツタイヤは低過ぎるとグリ
ップ低下を招き(空気圧をある程度張ってタイヤを路面
に押し付ける)やすく、転倒リスクが高まります。
あと、少し失礼なんですが、それ程走行中にタイヤ
の温度が上昇しないので、ある程度高めで充分なので
す。正直に言えば、ツーリング系スポーツタイヤであ
ってもライダースキルによってかなりの好タイムが出
せてしまいます。それくらい今時のツーリングタイヤ
は素晴らしいものです。がサーキット経験の少ないラ
イダーはそこまで技術技能が追いつかないので、タイヤ
の温度は上がりません。
そうなのです、タイヤの摩擦力によって加熱の仕方
が違うので内圧の変化が少ないのです。
悪い聞こえ方かも知れませんが、これはタイヤ性能
にとっては非常に重要。一定かつ安定性をライダーに
持続的に安心を与えて走らせる為には不可欠な要素。
つまり設計と実際の路上テストの結果、リアを高く
設定する事により、最初から最後まで安定性重視で
快適に乗れるように空気圧はリアを少し高めに設定
してあるのです。
但しこれは街乗りの標準空気圧ではありません。
公道標準の場合、リッターSSならフロントが250kPa
リアが290kPaにJATMA規格は謳っている筈です。
ただ、この空気圧はタイヤ銘柄によって変えるべき
と常々思っています。メガスポーツでツーリングメイ
ンであったりタンデムをしたり、フルパニアで旅客
仕様のバイクだったら多少理解出来ますが。
サーキットの場合は1-2割落とし、という話しで
した。
どうしてコレを今回書いたかというと、サーキット
で走っていると、リアタイヤのエア圧に不安を感じて
相談して話し掛けられる事が良くあります。
例えば、290kPaを標準と信じて疑わないライダー
が、走行中にリアが跳ねたりパンパンに硬くて怖い
と言って来る訳で、
私にそれを相談されても仕方無いと思うのですが、
「峠レベル以上の高速化になるので、タイヤが熱を
持ち内圧が上昇するんです。だから250kPa程度
から始めてみて下さい。今は走ってタイヤ温度が
高いので、250以上は落とさず走ってみて下さい」
その後、うんうん安心できた。じゃ走り始めは
どのくらいから?とまた聞かれるので、
「標準が290だったら260くらいが良いでしょう。
走っていて高ければ10落とし、そして5ずつに
細かく、240を下限にしてみると良いと思います」
逆に低くて腰砕け感がある人からは、240kPaに
引き上げてもらい、という内容を言いつつ聞かれる
事が多いので、今回書いてみました。
ここ、という空気圧はありません。また標準が
絶対正義でもないと僕は断言します。SSだったら
僕なら街乗りでも冷感で前220、後ろ240くらい
ですね。SSでツーリング出来ないオッさんになって
しまったので![]()
実際、ちょっと意外かも知れませんが、10Rで
サーキット走行を行う場合、走行直後でフロントは
220kPa、リアは180-190kPa程度狙いでスーパー
コルサSCではそんな感じで使ってます。フロントは
変わりませんよね。
リアは結構低いですがスピンさせて走ってるので
タイヤ温度が高くなるので圧を予め落として設定し
ています。あとは適度に荷重を掛けてアクセル開け
た方がタイヤのスピンと調和して前に進み路面を掴
んでいると思っているので、結果的にタイムに結び
つく、と思っています。
レーシングタイヤだからこその低設定ですから、
ツーリングタイヤでは真似しないで下さい、間違い
なく転けるでしょう、構造とコンパウンドが違うの
でこういう特化した事が出来るのです。
(当然ですがウォーマー使って温感合わせてます)
偉そうに書いて済みません、レーシングタイヤを
使ってスポーツするからには、絶対的速さの証明と
してタイムが命です。それをやり取りしているから
面白くて堪りません。
突き詰めるとタイヤへの荷重の掛け方、スピン
などアクセル開けによる旋回力の伝達やそもそもの
旋回速度による横Gによるタイヤのヨレ摩擦力、
そんな沢山の要因が全く違う要求を満たす為に
レーシングタイヤを使っているので、そもそもの圧
が違うのは、
走行目的が違う、という事になります。
逆に言えば、レーシングタイヤを活用する為には、
ちょっとやそっとの走り方ではその性能の上っ面し
見出せないという事です。
ホントに偉そうな言い方になっ恐縮です、だから
スリックを履けば誰でも速く走れると言うのは遠い
遠い幻想です。
それを活かす走りをしようとすればする程、
程遠い過程と壁に何度も直面する、というのが
こええまた攻略し甲斐のあるスポーツなのです。
