スポーティに走ることが好きな、SSやメガスポーツの悩み、と言えばタイヤの
早期摩耗。

 隼10RつまりSSにしたら、60kg以上も軽くなるわけだから、タイヤの早期摩耗
から解放されるだろう・・・なんて考えがあった。いや、どう考えてもそうだろう、
これだけ、つまりタンデムしてるようなもんからシングルで運転しているのと変
わらないレベルであり、この重量差は無視出来ない。

 隼で峠とかで楽しく走ると、かの抜群のライフと世間では歌われるS20(乗って
いた当時はEVOは無かった)だって、1600kmは持たなかった。だいたい、この
あたりでまずフロントが寿命を迎える、懐かしいα12クラスなら1300km目前で、
ほぼ1200kmくらいでフロントは無くなり、丁度フロントを2度目失う頃2400km手前
でリアが消滅、

 途轍もない予算が飛んでいった。

 隼は特に、フロント主体で旋回を造るのか、フロントタイヤのスリップサインが
見え始めると、これでバンクさせると急に接地感が失われたように「スカッ」と肩
すかしを食らうような挙動が出る。

 これがとっても怖く、初代も二代目も同じような挙動が表れる。フロントの依存
度が非常に高いなあ、とフロントの摩耗は特に神経質になっていた。

 10Rは約2500kmを迎えた頃、フロントのスリップサインが顔を出す。

 丁度、1000kmの慣らしを終え、早々にかっ飛び始めた矢先の出来事だった。

 慣らしの距離を差し引けば、1500km。それでも、あまりスポーティな走りは控え
ていたつもり。こんなもん、とても公道で楽しく走れないのは初めて峠でアクセル
を開けたら、誰にだって直ぐ判る、

 それがSSの印象だった。

 話が逸れて申し訳ないが、公道で元気に走ろうとすると、隼、メガスポーツだろ
うがSSも、同じくタイヤの寿命は同じなんだと納得した。これがミドル、であっても
結局は同じだろう。いや、SSなら、こんなのは断固許されないが、法を破るような
速度で走れば、もっと早く摩耗寿命は来る。

 それほどSSとメガスポーツは格が違うことが判った。

 走りの質からまずメガスポーツは違う乗り物、である。これは乗っているオーナー
を批判するつもりではなく、

 隼からSSへ乗り換えた自分のようなオーナーはとても多い。ゆったりと走りを楽
しむ太いトルクで快適な足回りを持つ隼はバイクの一面を際立たせる素晴らしい
バイクであるが、いざスポーツしようと思うと、

 重量的にも構造的にも不利な面があらわになる。ステージを変え限界を試せる
サーキットへ持ち込めば悔しいくらいにネガティブが露呈する。逆にそれだけの走
りを実現出来る素晴らしさがあるのだが、

 それでも限界が見えてしまうのだ。

 こういう走りをしないオーナーには全く無関係だが、

 やんちゃな中年男子の中には、それ以上を欲しがる子供のような自分のような
奴が居る。

 だから、SSに乗り換えても良いのだ。この道だって、バイクの乗り方の一つ。

 サーキットの場合はほぼタイヤの摩耗は前後同時かリアが先に摩耗する。これ
は公道でスポーツ走行をする場合、何よりも安全が優先されるので、ラインが自
然と無理なく万が一危険回避の行動を取っても大丈夫なように自分は走っている。

 走ることが出来るラインが違うのだ。そりゃそうなんだけどね、あ、クローズドは
いつもアウトインアウトと思ったら大間違いね、一つのコーナーだけじゃなく全体と
してコーナーを考えなくちゃならないから、そんな走りは通用しない。とても非効率
で例えばタイムに結びつかないが、

 公道はいつもブラインドなので、ラインに非常に気を配っておかないと、我が儘
で走ると取り返しが付かない。

 そして幾ら自分が気をつけて走っていても、相手が対向車線をはみ出して走っ
てくる場合も充分にあるのだから。

 だからインに付くラインなんてまずあってはならない。ネモケンさんが言っていた、

 立ち上がり旋回に重点を置きましょう

 というのが非常に良く解ってきた気がする。コーナーリング速度重視で曲がる
こと自体それが間違いであり危険なのだ、と。

 ワインディングが楽しいのは、景色が次々と変わって、空気や緑の臭いと森の
土気の臭いが体中を駆け巡るのが、嬉しくなる。山道を走っていると、まるで鳥
になったような気分になる、これがいい。

 決して高くは飛べないし、決まった道しか進めないが、

 走るラインに限りなし

 これが、峠を魅了して止まない所以では無かろうか。

 楽しさがあるから安全な運転を、これからも心がけてゆこう。

 しかしタイヤの減りは変わらないんだけどね。