緑風荘の火災(長文)… | 道化工房準備室

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写真は河北新報より

嫁からニュースを聞いてビックリした。

10年ぐらい前に妖怪にまつわる玩具を作ったときに、

これも縁かと、座敷わらしで有名な緑風荘を訪ねた。


座敷わらしが出るといわれる部屋には泊まることは出来なかったが、

自分が携わった玩具をその部屋に供えさせてもらった。

部屋を出たところで、自分の後頭部に視線を感じ振り返ったが、

もちろん何もいなかった。

女将さんが「どうかなさいましたか?」とたずねられたので、

僕の目線の高さで視線を感じたと答えると、

「うちのご先祖様(座敷わらしのこと)は浮いてるんです…」


少し背筋が寒くなった。

というのも、玩具の中に座敷わらしを

モチーフにしたキャラを登場させたのだが、

グラフィック担当に「このキャラは浮かせて」と指示を出した。

「なんで?」「なんとなく面白いから」

緑風荘を訪れる前の話で、

もどってグラフィック担当に話すとやはりビビッていた。


夕食後に御当主のお話を他の宿泊客とうかがっていたのだが、

僕の玩具の話にはそっけなかった。

どうやら緑風荘のご先祖様である座敷わらしを、

他の妖怪よろしく「何匹」という単位で話してしまったのが気に障ったらしい。

一人旅で疲れていた僕は、金田一温泉につかりたくなり、

タイミングを見計らって中座した。


翌朝、朝食をとっていると女将さんがやってきて、

「昨夜は当主が失礼を…」と謝られたので「?」となっていると、

僕は覚えていないのだが、僕が携わった玩具に対して、

御当主が「ご先祖を匹で数えるとは何事!」的なことを言ったと。

で、僕が気分を害して中座したのではないかと心配したらしい。

失礼だったのは中座した僕のほうで、非常に恐縮であった。


とんでもない災難に見舞われ、

僕や他の多くの人たちが供えた玩具も燃えてしまっただろう。

でも、きっとご先祖様の御力で、

以前と同じように、緑風荘は再開するでしょう。

そして、きっと新しくなった建物にも…