【猪瀬知事辞職 会見詳報(2)】決断の裏に石原前知事、川淵氏との会談 「ここはいったん打ち切ろう、と」
(1/3ページ)[猪瀬直樹都知事]医療法人徳洲会グループから5千万円を受領した問題で、辞職を表明した猪瀬直樹知事。19日午前に行われた会見は、質疑応答に移った。
《11月22日の問題発覚から約1カ月での辞職表明。質問は、そのタイミングから始まった》
--なぜ、ここまで辞職が長引いたのか
猪瀬氏「私なりに疑念を払拭(ふっしょく)させるためにできるだけ努力してきた。ただ、都政をこれ以上、滞らせてはいけないと(辞職を決断した)。(長引いたのは)できる限り説明をしたいと思った」
《18日には、昨年11月6日に徳洲会の徳田虎雄理事長を訪問した際、売却が決まっていた東京電力病院を取得したい意向を伝えられていたことが判明していた。猪瀬氏は都議会では「東電病院の売却は話題になっていない」と食い違う答弁をしていた》
--突然、辞職した背景には、東電病院の問題があるのではないか
猪瀬氏「その問題と直接関係はありません。(辞職の理由の)一つは、一昨日に石原(慎太郎)前知事と会い、『都政をこれ以上停滞させるわけにはいかない』となった。もう一つは選対責任者だった(元サッカーJリーグチェアマンの)川淵三郎さんと会い、『東京五輪を何とか成功させなければならず、ここはいったん打ち切ろう』ともなった」
【猪瀬知事辞職 会見詳報(2)】決断の裏に石原前知事、川淵氏との会談 「ここはいったん打ち切ろう、と」
(2/3ページ)[猪瀬直樹都知事]猪瀬氏「(東電病院の徳田氏との会話は)記憶はなかった。ただ、東電の売却は昨年の6月に方針が決まった。その後の売却の手続きは東京電力が行うもので、東京都とは関係ない」
《猪瀬氏は、東京電力の話題は出たかもしれないが、あくまでも売却に関して、徳洲会側に便宜を図るなどした事実はなかったと強調する》
《淡々と答える猪瀬氏は、時折笑みを浮かべる場面もみられる》
--5千万円受領の趣旨は変わりないのか
猪瀬氏「繰り返し説明を申し上げてきましたが、個人的にお借りしたもので借用書もお見せしました。選挙がどうなるのかという不安の中で(借りた)。有名な候補がいっぱいいたので不安だった」
《猪瀬氏は、これまで選挙後に落選した場合に備え借りたとする趣旨の発言を生活の不安から借りたとする従来の説明を行う》
猪瀬氏「ただ当選したので、お返ししようとしていたところ、それが遅れた」
《猪瀬氏は、長らく作家として、これまで権力を追及してきた。そのことに照らした質問も飛び出す》
【猪瀬知事辞職 会見詳報(2)】決断の裏に石原前知事、川淵氏との会談 「ここはいったん打ち切ろう、と」
(3/3ページ)[猪瀬直樹都知事]--これまでの会見や都議会の総務委員会での説明は、これまでの姿勢に忠実だったといえるのか
猪瀬氏「できる限り事実に忠実に答弁してきた。ただ記憶違いもあり、小さな間違いがあった」
--5千万円を借りたことの後悔はあるのか
猪瀬氏「お借りすべきではなかった。政治家をよく知らないアマチュアだったなと思う。物の考えが至らず、やや傲慢になっていたと反省している」
--具体的に「おごり」とは何か。都知事として何がやりたかったのか
猪瀬氏「政策について自分はかなり精通していると思っていたが、政務ではアマチュアだった,おRMT。政治家として、ずっとやってきた人は、何を受け取ってはいけないかは分かっている。自分は政策をやればよいと傲慢なところがあった」
《猪瀬氏は淡々と記者の質問に答えていく》
--次に就任する知事に何を求めるのか
「(2020年の)東京五輪、パラリンピックをどうしても成功させてほしい。スポーツに明るく、五輪を迎えるにふさわしい方が知事になってくれたらと思う」
《猪瀬知事の顔からは都議会で見せた厳しい表情は消えた》
会見詳報(3)次の知事は「信頼されるべき人」