弾丸一人旅 愛媛県立とべ動物園 後編
入院の用意やら書類の記入やらほったらかしで、たまっていた動物の本を読みふけってました
とべ動物園紹介もきりよく終わらせるために更新しちゃいます
とべ動物園で一番の人気者ホッキョクグマ
ここの個体は1999年12月に生まれ、日本で初めて人工保育に成功し、現在も人工保育の国内最長記録を更新中です
当時国内でのホッキョクグマの出生は122頭報告されていましたが、半年以上育ったのはたった16頭と生存率が低く、人工哺育の成功例もなかったのでいかに素晴らしい功績かが伺えます
地元の人にも愛されて育った人気者ですが、鉛中毒や血便など様々な問題があり、現在もてんかんという症状と戦っているようです
元気に長生きして繁殖にも貢献していってほしいと思います
そして次に紹介するのは今回の旅の一番の目的アフリカゾウです
●水浴び位する父親ゾウ
とべ動物園は日本で唯一アフリカゾウの親子を見ることができます
しかしその道のりは険しく、1988年にアフリカで密猟により親を失ったオス、メス1頭ずつの子ゾウがとべ動物園にやってきました。
2頭は大きくなってペアになり、メスの個体は2度妊娠しましたが、1頭目は生まれて間もなく死亡、2頭目は流産でした。
2006年に生まれた3頭目はメスで元気に生まれましたが、母親が育児方法がわからず危険だったため人工保育となりましたが無事に成長しました
それがこいつです
水浴びをしたりお客さんに興味をもったり活発な姿を見れました
更に2009年にはオスを出産
今度はしっかり母ゾウが育てることに成功しました
そのオスの子ゾウは2012年に繁殖のために東京の多摩動物公園に旅立ちました。
そして今年6月にメスの赤ちゃんを出産
無事に自然保育で育っています
最近一般公開も始まり、一目見ようとはるばる愛媛までやってきたのですが、一般公開は土日の限られた時間のみ
平日にしか行けない自分は残念ながら見ることは叶わないはずだったのですが、外で作業をしていた飼育員さんにダメ元でお願いしてみたところ、その日は地元の取材も入っていたおかげで快く室内展示場に案内してくれました
母ゾウにすりよったり、飼育員さんにちょっかいをかけたりと、なんとも元気で可愛らしい
もう感動の一言です
東京に住んでいることをお話したら、多摩動物公園に行ったゾウも見に行ってやってくだいねと
必ず見に行きます
本当にありがとうございました
動物園にいるアフリカゾウの平均寿命は40~50年。
アフリカゾウは動物園での繁殖が非常に難しいとされていて、ここ10年間で動物園で子供が生まれたケースは、とべ動物園のみ。
このままでは50年後には日本の動物園でアフリカゾウの姿を見ることができなくなると言われていますが、とべ動物園のようなケースが全国にひろまり、アフリカゾウの親子が全国の動物園で見れる日が来ることを祈っています。
さて次の紹介です
2011年に生まれた若いクロサイです
クロサイはサイの中でも数を減らしている絶滅危惧種なので、親子で展示しているのを見ると嬉しくなりますね
昨日紹介した広島市安佐動物公園から借り受けた個体が父親でもあるので、動物園間の繁殖のための貸し借りであるブリーディングローンはとても重要です
続いてノマウマ
愛媛県今治市郊外の乃万地方で育てられ保存されてきた日本在来の未改良小型馬です
日本在来馬8種のうちの1種で最小の種
とべ動物園を含む数少ない施設で種の保存のため飼育されています
地元の希少な動物の存続のための活動がいつまでも続きますように
続いてパプワヒクイドリ
ヒクイドリの中で2番目に体が大きく、国内ではとべ動物園でしか飼育展示されていません
となりの展示場で飼育展示されているオオヒクイドリと比較すると色合いや喉の肉垂れの数で判別できます
名前のヒクイドリ(火食鳥)の由来は喉の鮮やかな赤い色が火を食べているようだからとされています
驚くべきはこいつ「世界で一番危険な鳥」としてギネスブックに載っています
足の指の一番内側がナイフのようになっています
飛ぶことはできないけど時速50kmで走る脚力から繰り出されるキックは恐ろしい威力だそうです
実際に昔、オーストラリアの少年がヒクイドリにちょっかいをかけた所、逆上して反撃したヒクイドリの鋭い爪キックにより命を落としたという事件もあったようです
四国県民以外はなかなか行く機会がないかもしれませんが、遠出してでも行く価値のある素晴らしい動物園です
今回貴重な体験もさせていただき本当に行った甲斐がありました
さーて今からいろいろ準備頑張るかー