金沢動物園 前編
メインゲートのなかよしトンネルを抜けると動物園エリア
まずはアフリカ区の動物から
ヒガシクロサイは1970年代まではアフリカ全土に生息してましたが、環境破壊と角を目的とした乱獲により急激に数を減らし、絶滅の危機に瀕しています
乱獲の原因となる角は意外なことに毛が集まってできていて、骨は通ってないんです
角は一生伸び続けますが、動物園の飼育下ではコンクリートなどにこすりつけて削ってしまうため短くなってることが多いです
ここ金沢動物園は、国内で唯一、5種類あるという動物の角の種類を全て見ることができます
飼育員さんに貴重な標本も触れさせてもらったので、それも順次紹介したいと思います
アラビアオリックスは、中東からアラビア半島にかけて広く生息していましたが、ユニコーンに例えられる美しい角の乱獲により、1972年に野生では一度絶滅してしまいました
その後、飼育下で繁殖させた個体を野生復帰させて、1100頭ほどまで回復させました
ここ金沢動物園は国内の血統を管理して、もっとも多くの数を飼育、繁殖も順調に成功させています
昼夜の温度差が激しく、水や食料の少ない砂漠の生活にもっとも適したレイヨウの一種で「砂漠のスペシャリスト」といわれています
その見た目の白い毛は太陽光を反射させて体温の上昇を防ぎ、寒いときは毛を逆立てて黒い地肌で太陽光の熱を吸収して体温を保ちます
次はアメリカ区の動物です
まずはアメリカプロングホーン
アメリカプロングホーンは陸上動物でチーターに次いで2番目の走行速度を持つ動物です
その速度は時速80km以上
時速70kmぐらいなら6~7kmは走れるため、長距離ではチーターより上です
●アメリカプロングホーンの抜け落ちた角鞘
プロングホーンはウシやヒツジと同じタイプの角で、内部の角芯を覆うように角鞘(かくしょう)が発達して角を形成します
普通このタイプの角は抜け落ちることはないのですが、プロングホーンのみ、毎年生え変わります
上の写真はプロングホーンの抜け落ちた角鞘です
ちなみにアメリカプロングホーンは国内では金沢動物園でしか見ることができません
オオツノヒツジは金沢動物園が開園して一番最初に展示された動物で、園のシンボルマークでもあります
その特徴としては見た目通りの立派な角
さっきのプロングホーンと同じタイプの角で、こちらは抜け落ちることはありません
オス、メス両方角はありますがメスは20cmほどしか成長しません
●オオツノヒツジの角鞘。抜け落ちることがないため、死んだ個体から採集された貴重な標本。
そしてビックリしたのがこの角、かなり重い
写真で持ってる自分の手はプルプルしてました
その重さは左右で6kgを超えるらしく、その重さを実際に触れて実感できたのも素晴らしい体験
オス同士の闘争でお互いの角をぶつけ合う角突き
角突きはコンクリートの壁を壊す威力があり、標本の角も表面はこすった跡があり、内側に比べて滑らかでした
オオツノヒツジの奥にいる白いヤギはシロイワヤギ
今回は近くで見ることができず写真もこれだけなんですが、こいつも金沢動物園でしか見ることができないんで少し紹介します
シロイワヤギは暑さに弱く、夏は冷房の効いた展示室で飼育するため、外で見れるのはそろそろ終わり
しっかり見れなくて本当に残念
暑さ対策として5月には麻酔をかけて毛刈りをしたり、スポーツドリンクを飲み水に加えるらしいです(笑)
ズーラシアのマレーバクと違い終日活発でした(笑)
前に紹介したマレーバクや上野動物園にいるアメリカバクとはまた違う種で、こいつも金沢動物園でしか見れない貴重な動物です
こいつは中央アメリカに生息していて、他のバクと住む地域は違っても、生態はほぼ同じで、森林や沼地の水辺を好み、泳ぎが上手
特徴の一つの鼻をうまく使って食物を引き寄せたり探したりします
最後にいくつか紹介した動物の角についての簡単なまとめ
いつか画像つきで詳しく解説したいと思うのでここではざっくり
「5種類ある角」
①シカの仲間の角・・・角全体が角芯(骨)。皮膚に覆われて成長し、繁殖期前に皮膚がはがれ完成。その後抜け落ちて毎年生え変わる。(英語ではアントラー)
②ウシ、ヒツジの仲間の角・・・角芯(骨)の外側を角鞘が覆う。一生伸び続け生え変わらない(英語ではホーン)
③プロングホーンの角・・・②と構造は同じだが毎年抜け落ちて生え変わる。
④キリンの仲間の角・・・角芯(骨)の周りを皮膚が覆う。(英語ではオッシコーン)
⑤サイの仲間の角・・・角芯でなく毛が集まって固くなってできている。
というわけで前半終了また長くなった上にうんちくが多くなってしまい反省
文章をまとめるのって難しい