あの「燃えよドラゴン」のボロ・ヤンと!?パート3 | アクションプロデューサーHARUのブログ

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今回は正確に言うと、あの「燃えよドラゴン」のボロ・ヤン!?なのですが、実は怒らせたことがあります。(なんと恐ろしいタイトルでしょう。)この話のパート1から続く、私が初めてプロデュースしましたアクション映画の日本ロケでのお話です。

 

ご機嫌で夜の街を歩く私の携帯に、この映画の製作会社の社長から電話が掛かってきました。

とても慌てた声で、少し興奮気味にこう言いました。「お前ヤン・スーさんのホテルを変えたなー!」 (ヤン・スー=ボロ・ヤン)

「はい!」と私は答えました。実は数時間前にボロ・ヤンさんに、来日から宿泊していたホテルを移動していただいていたのです。

「何か・・・?」と聞き返す私に、社長はさらに声を荒げこう言いました。「今ヤン・スーさんから、明日香港へ帰ると電話が来たんだよ。新しい部屋が気に入らないとな、お前どんなホテルに変えたんだ!とにかくヤン・スーさんに謝って来い!撮影はまだ残ってるんだ、何とかしろ!」「あ、はい。」の私の返事を待たずに電話は切れ、私は夜の街を再びボロ・ヤンさんのもとへ。

 

私も初めての映画のプロデューサーで、右も左もわからないまま勢いだけでやってきた感があり、このホテルの変更の件も、ボロ・ヤンさんの日本での撮影予定の日数しかホテルを予約していなかったという、今では考えられない私のミスが原因だったのです。撮影スケジュールは大小様々なトラブルや天候の影響で伸びるのが当たり前で、最低でも数日間は多めに予約するのが常識なのです。

(・・・してませんでした、私。)

 

そしてこの作品も当然撮影の遅れが出てしまい、私のせいでボロ・ヤンさんは泊まっていたホテルを追い出される結果になってしまったのです。また、さらに運悪く観光シーズンで近くに空いているホテルが一軒もなく、私はボロ・ヤンさんを古びた旅館に押し込んでしまったのです。(ひどい!)


祈る思いでボロ・ヤンさんのもとへ急ぐ私。

 

ボロ・ヤンさんの部屋の前に着いた私は扉の前で大きく深呼吸し扉をノック、扉が開くまでのわずかな時間にも私はボロ・ヤンさんに

何と言ってお詫びしようか・・・?、どうやって止めようか?・・・凄い顔で怒って出てくるだろうな・・・とか考えていました。(怖っ!)

 

そして扉がゆっくりと開き、扉の前に立つ私は声も出ないほど驚いてしまいました。(テレビならCMが入るタイミングですね。)

扉を開け私の前に立っていたのはボロ・ヤンではなく、ドレッドヘアで目のパッチリした3歳位の男の子でした。その髪型から「息子!?」だとすぐに気付きました。チビ•ヤンの登場に思わず「かわいい!」と油断した瞬間にその後ろからパパ・ヤンが登場、息子を部屋の奥へ促すと、私が来たことに少し驚いた様子だったので、私は咄嗟に「ホテルチェンジ!」と言うとその顔がニコッと微笑んだ。それでも必死に謝り続ける私に気をつかい「無問題」と再び微笑んだ。


実はボロ・ヤンさんはそれほど怒ってはいなかったのです。ただ社長には、少しかました様ですね。


話が前後しますが、ボロ・ヤンさんの旅館へ行く前に、私は前のホテルへ寄り、必死に宿泊延長をお願いしていたのです。前回あれだけ部屋は空いていませんと言っていた支配人が、それじゃ~と部屋を空けてくれました。「最初から貸せー!」


翌日、何事も無かったかの様に撮影は順調に進んだ。


※少し前ですが、チビ・ヤン(ジェフリー・ヤン)は、アメリカでボディビルダーとして活躍していると聞きました。(頑張れ~!!)ところで、いま何歳なんだろ~!?