術後の口唇口蓋裂患者さんへのリハビリ&セラピー
みなさまこんにちわ
最近、本当に本当に寒くて心の底から水風呂が嫌なゆいです
少し前までは朝夜だけ寒かったんですが、最近では1日中です。
パーカーとスウェットなしでは生活できません
しかし、もう少し経てばこれも徐々に寝れないくらい暑くなっていくんですね
さて、今回は、口唇口蓋裂の手術を受けた子どもたちが、
その後リハビリやセラピーを行っているところへ
お邪魔してきたときのことをお伝えいたします
まず、口唇口蓋裂について簡単にご説明したいと思います。
口唇口蓋裂とは、口唇または口蓋に裂のみられる先天的な病気で、
軟口蓋あるいは硬口蓋またはその両方が閉鎖しない状態の口蓋裂と、
口唇の一部に裂け目が現れる状態の口唇裂(唇裂)を指します。
(出典:http://plaza.umin.ac.jp/~oralsurg/disease_01.html
口唇口蓋裂の子どもは、
このように口の中に問題があるので、しっかりと話すことができない子が多いです。
なので、早いうちに手術をする必要があります。
手術が遅ければ遅いほど、普通とは違う発音の仕方が身に着いたり、
普通は使うはずの口の中の筋肉も成長していかないからです。
しかし、貧しくて手術がすぐ行えない家庭がほとんどなので、
手術が遅れて5、6歳にやっと行える子どももたくさんいます。
今回訪れたこのリハビリ&セラピープログラムは、
そのような子ども達に対して術後行っているもので、
発音練習や子どものセラピーを毎週土曜日に行っています
子どもたちは、ここの幼稚園を借りて毎週土曜日にリハビリやセラピーをします
中には、まずこのような個室がありました
ここは、主に子どもと一対一で先生がお話しする部屋です
一対一ではないと話せないこともあるので、このような部屋を設けています
すると、中で先生が面白いものを見せてくれました
こっちから見ると、ただの鳥ですが・・・
ただのキレイな鳥ではなく、壊れている鳥があることで、
「どうして羽がないのか」「飛べるのか」「羽がなくて鳥は何を思っているか」など、
子どもの創造性を養えるから、たとえ壊れていても使っているようです
他にも壊れているものはあり、創造性を養うとともに、
子どもとのコミュニケーションツールとしてもセラピーでは活躍しているようです
また、並んである本にも面白いものがありました
見えづらいかもしれませんが、”H””T””M”などの本が並んでいます
これらの本は、タイトルに記されているアルファベットを主に使われているため、
そのようなタイトルなのです。そして、これらの本は、
手術で特に発音が難しいアルファベットの本が集めてありました
その子どもの病状によって発音の難しい単語は異なりますので、
たくさんのアルファベットの本がありました
他にも、口の中を図で表したものから
術後のリハビリについて教えてくださったときがあったのですが、
喉の上や舌などにある筋肉を鍛えないと発音できない
アルファベットがいくつかあるようです。
その筋肉を鍛えるため、これらの教材は使われています
では、そもそもどうしてこのようなプログラムを行っているかといいますと、
ここへ通っている手術を受けることのできた子どものスポンサーの方が
セラピストとして病院で働いているからです
この方は、ただ手術するだけではなく、アフターケアも重視して、
術後の子どものためにいろいろ行ってくれています
ブロックの色と形と丸い浮き出ているものの数を数えるお母さんと子ども
ものの5分で集中力が切れてしまったので、ここで先生(右)の登場です
先生は、オーバーに発音をし、子どもに解りやすく教えていました
ここで「あれっ?この女の子・・・」と思った方!
そうです、彼女はジャイラホームで生活をしているジェシカです
キャンプで参加した方は気づいていたと思いますが、
ジェシカも元々口唇口蓋裂を患っていて、
今年の5月にこちらのスポンサーの方のおかげで手術を行うことができました。
しかし、ジェシカも大きくなってからの手術だったので
しっかりと発音できない言葉が多いです。
そのため、こちらでリハビリを行っています
今回初めてこのようなアフターケアを見させていただきましたが、
この先生(スポンサーの方)がどれくらい子どもが好きかとか、
子どものために何をしてあげるのがいいことかなど、
子どもとの接し方や直接お話しした感じでとても伝わりました
オーストラリアの方でタガログ語が全然話せないので、
英語のわからない子どもとのコミュニケーションは
大変なんだろうなと思っていましたが、
コミュニケーション以前に子どもを包み込む包容力があり、
子どもを集中させる接し方というか雰囲気を持っていて、
いつもオーバーリアクションで子どもたちをなごましているように感じました
他のフィリピン人の先生とは全く違う雰囲気を持っていて、
こういう方がセラピストなんだろうなーと感じていました
私が今まで関わらせていただいた口唇口蓋裂の子どもは
みんな生後すぐの赤ちゃんやまだ話せないくらいの子どもが多かったですが、
10才前後で手術を受けた子どもが抱える問題を改めて知ることができました。
ジェシカに関しても手術後半年以上経過していますが、
まだまだ話し方は昔の話し方だと思うことが多いですし、
癖が抜けてないのかなと感じることがよくあります。
今回このプログラムに参加させていただき、
また少し考えることや勉強することが増えました。
招いていただき、本当にどうもありがとうございました
同じスポンサーとして、手術のみにお金を出すのではなく、
アフターケアについてももう少し考えていこうと思います
フィリピン事務局
赤石ゆい