サマーキャンプ④:キャンドルナイト
こんにちは、フィリピン事務局やすえです
こちらは毎日強い雨が降るようになりました
フィリピン事務局のあるジャイラホーム(孤児院)の敷地内もすっかり水浸しです
歩くたびに、たくさんの水や泥がはねてしまいます
さて、今回は、サマーキャンプで行われたキャンドルナイトについてご紹介したいと思います
キャンプの1日目の夜、食事後に全員が輪になって座り、一人ずつろうそくを手にしました。
キャンドルナイトは、神様へ感謝を伝えるために行います。
ろうそくに火を灯した人は、家族や友達といった身近な人への感謝、そして神様に向けて感謝の気持ちを伝えます。
話し終わった人は、次の人のろうそくへと火を灯します。
ろうそくに火を灯すようす
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普段は元気いっぱいで笑顔が溢れるこども達や、ストリートエドゥケーターも、このときはいつになく真剣な面持ちでした。
そして、感謝の気持ちを口にするうちに、普段は心の奥にしまっていた素直な気持ちが溢れてきました。
ある子は言いました。
今自分が生きていること、家族が一緒にいられること、ごはんを食べられること、勉強できること、
そして今こうしてキャンプの参加者の一人として選ばれたことに、心から感謝しています。
どんなに苦しいことがあったとしても、自分が路上で働くことで、少しでも家族の役に立てていることに感謝しています。
ある子は言いました。
家族がみんな一緒にいられること、勉強を続けられていることに感謝しています。
そして、神様に彼女の母親が返ってくるように祈りました。
優しい笑顔でいつもあたたかく家族を見守ってくれた彼女の母親は、
現在自分自身を見失ってしまっています。
一日も早く、大好きな母親に戻ってくれるよう、彼女は真剣に祈っていました。
ある子は言いました。
私が、今の私自身になれたことに、心から感謝しています。
色々なことがありましたが、こうして今はこどもを支えられる立場になったことに、感謝しています。
そして彼女は、感謝の気持ちや、亡き父親への思いを口にするうちに、その場で泣き崩れてしまいました。
ある子は言いました。
今こうして生きていられることに感謝しています。
彼女の父親は、昨年病気で亡くなり、兄が仕事をして家計を支えるようになりました。
生活は厳しく、食事が1日1食のことや、おかずが塩や醤油しかないという日が続いているそうです。
ストリートエドゥケーターとして活躍していた彼女の兄は、なんとか学校を続けながら働いていましたが、結局勉強を諦めることになりました。
母親は、彼女にも学校を止める様にお願いしたそうですが、彼女は勉強を続けられるよう祈りました。
せっかく手にすることができたチャンスをどうか奪わないでください。
たとえもしその願いが叶わないとしても、これまで勉強できたことに、心から感謝します。
ストリートエドゥケーター、路上で働くこども達、貧困地域で暮らすこども達。
彼等はいつも元気いっぱいで、瞳をキラキラ輝かせながら、無邪気に笑っています。
そんな彼等の笑顔には、いつも励まされ、たくさんの力をもらいます。
ところが、ろうそくを手にし、涙を流しながら助けを求める彼等は、今までに見たことがないほど、とてもか弱く見えました。
しかし、いつもの元気いっぱいな彼等も、目の前の問題に押しつぶされそうな彼等も、どちらも素顔の等身大の彼等なのだと思います。
自身が直面している問題から逃げず、真剣に向き合いながら生きている彼等だからこそ、あんなに素敵な笑顔で笑えるのではないかと思います。
いつか、こども達の祈りが、喜び溢れる感謝の言葉でいっぱいになるよう、願っています。
またそういった日が一日でも早く訪れるよう、支援活動に努めていきたいと思います。