小学校モニタリング
フィリピン事務局門井です。
今回は、今井記念海外協力基金を頂いて実施している、ストリートチルドレンへの奨学金プロジェクトでのモニタリングの紹介です。
フィリピンは6月初旬に新学期が始まりました。
新しい学校生活が始まって一ヶ月、制服・文具・学校の登録費の一部等を支援したこどもたちも、そろそろ新学年になれた頃です。
そこで、本年度支援しているこどもたち500人(11地域)が通学している各小学校・高校において、第一回目のモニタリングが始まりました。
今回の訪問先は、オロンガポ市内のマバユアンという地域の小学校です。
ACTIONのニニョス・タタッグワークキャンプを初めて実施した地域で、スタディーツアーでもお馴染みの場所です。
2階建てのマバユアン小学校。
1991年のピナトゥボ山噴火で建物に多くの被害を受け、1992年に改装されたそうです。
ちょうどこの日は健康診断の日で、全校生徒の内科・歯科検診が行われていました。授業の様子。フィリピンの学校では、先生の机が生徒の後ろに設置されている光景をよく目にします。
居眠り防止??
ここには新マバユアンから32名・旧マバユアンから20名の、計52名の奨学生が通学しています。
プロジェクト全般を担当しているスタッフの一人、マルーさんの指導を受けながら、2地域の母親グループのリーダーが各教室を訪問し、生徒の通学状況の確認を行いました。
生徒の通学状況の確認の様子
今回のモニタリングは、まずはこどもたちが通学しているかを把握することが主な目的です。各学校での調査結果は、奨学生が生活する各地域の母親グループのメンバーに報告され、欠席が多い生徒のフォローが行われていきます。
まだ一ヶ月のため、ほとんど生徒は欠席もなく元気に通学している結果が得られました。
数名は1~2日の欠席が見られたのですが、先生に確認してみると、「ああ、大雨の日だね、あの日は他の生徒も欠席が多かったね」とのこと。
台風?というわけではなさそうでしたが・・・
そんな中で、4年生の男の子一人は既に10日以上の欠席がありました。
両親が急に離婚して出て行ってしまったため、兄弟とおばあちゃんと家に残され、食事が十分に取れないことが原因でした。
算数の成績がとてもいいし、このままだと辞めてしまうかもしれない、どうにかできないだろうか、担任との話し合いも持たれ、当事者にもインタビューしました。
「将来は何になりたいの?」
「医者になりたい」
「じゃあ、がんばって勉強しなくちゃあ。おばあちゃんには私たちが話して、近所の人にも協力してもらえるように話すから、学校には来るようにね」
マルーさんと生徒との話し合いです。
今ではプロジェクトの中心メンバーのマルーさんですが、体育用の靴が買えなくて授業に参加できなくなった、自身も小学生で通学を断念したという背景があります。
「自分たちにはこんな(奨学金プロジェクト)支援はなかった。だから、今のこどもたちにはチャンスを上手く使えるようにしてあげたい」
マルーさんの言葉です。
今後もモニタリングは続きます。
二回目以降は、各学校の教師・生徒をあわせた面談を中心に実施し、成績や学校生活についての確認を行っていきます。