今回もルーマニアのミニマルを紹介していきます。
ミニマルというジャンルは、曲の中に大きいサビがあるわけでもなく、展開や音数も少ないために、アーティストの個性や曲の個性が気付かれにくい側面があります。
しかし、アーティストごとに曲を聞き込んでいくことで個性を発見できます。前回はレーベルのくくりで曲を紹介しましたが、今回は1人のアーティストに焦点を当てます。
今回のアーティストはNu zau です。未だになんという読み方なのかわからず、勝手に「ぬーぞう」と読んでいます。(違っていたら教えて下さい。)
この人の曲は最初はあまり特徴がない印象で「ふつうだな」と感じることが多かったです。でもだんだん聞いていくうちに、独特の個性があることに気づき、曲が出たら必ず買うようになりました。
その個性とは…「ちょいダサグルーヴ」です。(ここでいう「ダサい」は褒め言葉です。)なんというかあまりキャッチ―ではない上物を使ったり、ハイハットやスネアなどの高音部を強打している曲が多くて、なんかとても頭の悪そうな(褒め言葉です!)曲が多いのです。まあ基本かっこいいのですが、この「ちょいダサ」に気づいてからは、さらに魅力的に感じるようになりました。
レコードレビューしていきます。
NU ZAU / ADITIE EP (HEISEN BERG) 2015
ロシアのレーベルから出た1枚。3曲ともとても魅力的で、いつもどの曲を使うか迷います。Nu zauらしさが凝縮された1枚でもあります。
A1 / BUDAH : 3拍目と4拍目の間に「プー」という音が入っていたり、スネアが強打されていたりと、正にNu zauという感じのダサグルーヴのある曲。
B1 / SEA CORAL : 短いループで繰り返されるベースと男性ボイスがもにょもにょいっているのが特徴。この短いループのベースはNu zauらしさだと思う。
B2 / RECEPTOR : 色々な高音が鳴っていていて、よく作り込まれている。「ケローン」というなんとも言えない上物がいい。
NU ZAU / Povestea sovietelor EP (Why So Series) 2015
本人が始めたレーベルの1番。2曲しか入っていないけど高くて、聞いてみたら普通で、購入当初は少しがっかりしましたが、無理やり魅力を見つけようと聞いているうちに好きになりました。Nu zauらしさに気付いたレコードです。
A / Jannette : あまり個性的な感じはなく、とても地味な曲。高音が多重的で作り込まれている。
B / Povestea sovietelor : Nu zauらしさ全開の変な曲。「ワケワケナー」と聞こえるボイスが繰り返されており、「コロン」という木琴みたいなアクセントもよろしい。
NU ZAU / Voyage a Paris E.P. (The rabbit hole) 2013
今やルーマニア系のアーティストのお馴染みレーベルThe rabbit holeの2番。間違えて通販と店頭の両方で購入してしまった苦い思い出があります。
A1 / Bisous : Nu zauにしてはスタイリッシュすぎて無難な曲。
A2 / Bisous(Livio & Roby Remix) : A1のもやーんとした上物を残しつつじわじわ上げていく感じのトラックになっている。
B1 / Tete-a-Tete : 短いループのベース&高音がガチャガチャしているという、Nu zauテイスト満載のトラック。高音が常にジージー鳴っていて、若干落ち着かない。
Soul001 (soul on.) 2013
ロシアのレーベルSoul onからの1番。アートワークも曲も地味なので、つい忘れてしまいそうになります。
A1 / Kashawar / To the peple
A2 / Kashawar / Nighwalk:ドイツのKashawarによるA面はどちらもかっこいいが、無難であまり特徴のない曲。この人の特徴を探すのも難しそう。
B1 / Nu zau / Dineu cu surzi 高音が強調されたNu zauらしさがありながら、切ない感じのフレーズがある曲。
Nu zau / Cumse Cuvine (MOSS Co.) 2014
HozocのレーベルMoss Co.からの3番。中古で買ったら、なぜかraum…music.という違うレーベルのスリーブに入っていました…。
A / Nu zau / Cumse Cuvine : 1(→)2(→)3(↑)4(→)と3拍目に「キュッ」っという音が入って強調された曲。NU ZAUの曲は3拍目か4拍目が強調されている曲が多い。
B / Loopdeville / Piance : この人は全然知らなかったが、普通にかっこいい。
V.A.Compilatie (All inn black) 2013
ルーマニア系レーベルの本家All Inn blackの11番。3曲入りですが、どの曲も躍動感があります。
A1 / Funk E / Miss Tycal : さすがA面という感じのインパクトがある曲。Rhadooか誰かがかけていた記憶がある。
B1 / Marcman / Anamneza : かっこいい。
B2 / Nu zau & Dubsons / Espelanada : Dubsonsと一緒にやっている、通称Nusonsの曲。めちゃくちゃかっこいい。少し派手な感じであまりNu zauらしくないが、Cumse Cuvineと同じように3拍目だけ強調されていることで、Nu zauが関わっていることがよくわかる。
Nu zau & Sepp /BP Mind Series 2013
ときどき一緒にやるSeppとの合作。ロシアのレーベルから出しています。
A1 / Trafic : 7拍目と8拍目が強調されたNu zauらしさ全開の曲。シンプルだがインパクトがある。
A2 / Vintage : キャッチ―さがあまりない地味な曲。ハイハットが強い。
B1 / Stil Clasic : 変な曲。上物が3分の4でなっているので、少し変拍子に感じる。
Alejandro Vivanco & NUZAU / Black n space (Fizical) 2015
Cadenzaなどからも出しているチリのAlejandro Vivancoとの合作。派手目な感じを期待してしまいますが、淡々としていて少しダークな曲ばかりになっています。
A1 / Black n space : パーカッションががちゃがちゃなっていて少し激しめな曲。
B1 / MEDITATIE : 特に目立つ音はなく淡々とした曲。
B2 / ULTIMA TURA : 3拍目と4拍目の間に「ツッ」というハイハットが入るNu zau節。
Alejandro Vivanco & NUZAU / movida013 (movida) 2015
こちらもAlejandro Vivancoとの合作。Black n spaceのようなダークな世界観をそのままに、より印象的な曲になっています。
A1 / Behind you : ヘッドホンで聴くと音圧がある。つぶやくようなボイスサンプリングがダークな感じを演出しているが、跳ねるようなハイハットや強いクラップの音により、躍動感のある曲になっている。
B1 / Carambolo : ハイハットが強かったり、変なボイスが入っていて実にNu zauらしい。
B2 / Behind you(Funk E remix) : A1のボイスサンプリングを使用しながら、ビートがニュートラルな感じになっている。つなぎとして使うにはこちらの方が使いやすい。
Nusons / Lovecraft EP (Nedefinit Music) 2016
最新作はDubsonsとの合作。4曲入っていますが、捨て曲なしです。かっこいいのは良いのですが、Nu zauらしさはほとんど感じられないです。Dubsons主導で制作したのでしょうか。
A1 / DUCE SPRE : 心地よい曲。ダブっぽいビートになっている。
A2 / LOVECRAFT : 中盤からとてもキャッチ―なメロディーが入ってくるNu zauらしからぬ曲。ミルコロコあたりが作りそうな雰囲気の曲。
B1 / PUMPERNICKEL : 4つの曲の中で一番好きな曲。じわじわ音数が増えていく所謂ビルドアップ型の曲。鳴っている音が全てかっこいい。
B2 / BALANTA : BPMが早い。坦々としているが、色々な音が鳴っていて体が動く。
僕が持っているNu zauの曲はこのくらいです。どれも新品では売れてしまっていると思いますが、中古のレコ屋等で見つけたらぜひ買ってみて下さい。
また前回と同様に紹介した曲の中から選んでMIXしました。ぜひ聴いてみて下さい。(録音の関係で時々音飛びあります。)
https://soundcloud.com/actias/nz-mix
01 / Budah
02 / Povestea Sovietelor
03 / Tete-a-Tete
04 / Dineu cu surzi
05 / Cumse Cuvine
06 / Espelanada
07 / Trafic
08 / Ulutima tura
09 / Behind you
10 / Pumpernickel
最後まで見ていただきありがとうございます。









