昨日の続きです。

「通貨発行権」を持つ日本銀行を子会社としている日本政府を、そんな権利のない家計に例えること自体ナンセンスだと思います。それでもあえて例えてみたらこうなるのではないでしょうか?

「年収が500万円の家族がいます。この家族ではお父さんとおじいちゃんが働いて収入を得ています。他に働いていない家族がいて、それはお母さんと子供の2人です。お母さんがお財布を預かり、すべての買い物をします。500万円のうち、お母さんが家族のために買い物ができるお金は毎年40万円です。この家には借金もありますが、よそに貸しているお金もあるので、相殺すると毎年利子収入が入ります。お母さんはやりくりを頑張っていますが、40万円と利子収入だけではとうていまかないきれず、お父さんやおじいちゃんからお金を借りています。それは毎年50万円です。わずかな利子をつけて毎年返済しています。でも毎年さらに借りることになるので、今では2人から借りた総額が1000万円を超えてしまいました。お母さんは、お父さんやおじいちゃんからお金を借りるのをやめたいと思っていますが、そのためには生活の質を落とさざるを得ません。食事の量を減らす、築50年の家の雨漏りの修理をあきらめる、家族が病気になっても医者へは行かない、子供の塾や習い事はやめる、などしなければなりません。おじいちゃんは最近体調がよくないので、そろそろ働くのをやめて、医者にかからなくてはならないかもしれません。」という感じでしょうか?例え話の割には、ちっとも分かりやすくありませんね。

このお話の中のお父さんとおじいちゃんは労働者を指しています。労働者は働いて収入(所得)を得ます。同時に自分が生きるために消費もします。
お母さんは日本政府を指しています。政府は自分で収入を得るのではなく、労働者の所得から徴収した税を使う存在です。
子供は非労働者です。自らは所得を得ず消費するだけの存在です。
おじいちゃんは働く高齢者を、子供は教育を受けている将来世代をそれぞれ表しています。

どうでしょうか?この家庭は「借金で破綻」するでしょうか?毎年50万円ずつ、これまでの総計1000万円を貸しているのはお父さんとおじいちゃんです。家計を一にする家庭内での貸し借りなので、「家計としては」破綻しません。(家庭内での人間関係が悪くなるとかは、あくまで例え話なのでリアルに心配しないでください)この家計の問題点は将来に対する不安でしょう。将来おじいちゃんが働けなくなり、その分一家の収入が減ることになるでしょう。医療費がかさめば、さらに家計を圧迫するでしょう。子供が就職して収入を得てくるようになれば、大丈夫かもしれません。お父さんが仕事を頑張れば収入が増えるかもしれません。一家の収入が増えれば、お母さんが買い物に使えるお金が増えるかもしれません。(税収はGDPが増えれば、税率を上げなくても税収は増えます。)「お母さんは、お父さんやおじいちゃんから借りているお金は返済しなくていいの?」という疑問をお持ちの方もいらっしゃると思いますが、そもそも家計を一にする家庭内の貸し借りですよ。離婚でもしない限り、お父さんやおじいちゃんから借りたお金をすぐに返済しなければならない事態は考えられません。(その場合も返済しなくちゃいけないの?と思いますが)遠い将来おじいちゃんが亡くなれば、遺産相続をすることになり、お父さんとお母さんがおじいちゃんに借りていたお金は返済の義務がなくなります。そもそも借りたお金でお母さんは家族のための買い物をしているので、おじいちゃんは(そして家族全員が)受益者でもあります。

それにしてもこの例え話は無理がありますね。自分で書いていてもしんどかったです。だって、最初にも書きましたが、家計には通貨発行権がありません。また一家の年収500万円にしても、家庭外(つまり外国)から入ってくるお金のことなので、日本の財政と合致しません。つまり、日本の財政問題(国の借金ではなく政府の負債)は家計に例えることはできないのです。(例えてみても不正確な上に、ちっとも分かりやすくないので、例える意味がありません!)

人気ブログランキングへ