コーチングに流れがあるのをご存知ですか?

 

コーチはコーチングフロー(流れ)を頭の中に入れてコーチングをしています。

 

その流れは

 

①アイスブレイク

②扱う課題の共有

③目標の明確化

④現状の明確化

⑤ギャップの明確化

⑥行動の明確化

⑦まとめ

です。

 

項目を見ただけで分かる方は今日はパスしてください。

 

それでは簡単に解説します。

 

今回は上司と部下の場面で説明します。

 

 

 

①アイスブレイク

 

アイスブレイクとは氷(アイス)を細かくして(ブレイク)して溶かす意味から

 

話しやすい環境をつくることを言います。

 

まだ、二人の関係が浅い時に必須です。

 

もし、まだ、話せる状態でない時だと、

 

「今日は今の課題について話したいのだけれども、良いかな?」

 

「・・・・・。」

 

「じゃ、今、困っていることは何かな?」

 

「・・・・・。」

 

こんな、気まずい雰囲気を経験したことはないですか?

 

コーチングは双方の信頼関係ができていることが大前提です。

 

私も、じっくりコーチングが出来る場合はまず、このアイスブレイクだけで1回目を使うこともあります。

 

だって、本音を言って貰えない状態ではコーチングはできませんから。

 

ある程度、人間関係が築かれていた場合でも、いきなり、本題に入るのではなく

 

気持ちが和む会話があってからの方が話しやすいですよね。

 

逆に、既に、阿吽の呼吸が出来上がっている関係であれば、

 

このアイスブレイクは割愛できます。

 

 

 

扱う課題の共有

 
意外とこれが出来ていない上司も多いです。
 
例えば、部下が大きなミスをした後のコーチングです。
 
上司;「今日の事(大きなミス)で話したいのだけど、時間はあるかな」
(起こしたことは仕方がないから今後同じようなミスをしないように一緒に考えよう)
 
部下;「はい。分かりました。申し訳ありませんでした。」
(やばい。怒られる。どうしたら、怒られなく済ませられるかな?)
 
上司は前向きに今後のことを考えようとしているのに対し、部下は怒られないことのみを考えています。
 
この思いを共有してからでないと部下は本音を語りません。
 
ここは、思っていることを口に出して共有してください。?
 
上司;「今日のことだけど、起こったことは仕方がないから今後同じようなミスをしないように一緒に考えたいのだけれども良いかな?」
 
部下:「はい。ありがとうございます。よろしくお願いします。」
 
前者と比べてください。
 
前者はあたかも、裁く側と裁かれる側の所謂、敵と味方の構図ですが、
 
後者は同じ目的に向かへています。
 
「今日の事で話したい」だけでは、
 
部下には上司が今後の部下の成長を考えているまでは分かりません。
 
部下の身になって丁寧に上司の思いを伝えて共有しましょう。
 
 
 
 
③目標の明確化
 
人がやる気になる時は目標が明確になっている必要があります。
 
例えば
 
「あなたは、どんな看護師になりたいのですか?」
 
「はい。患者さんから信頼される看護師になりたいです。」
 
「それは素晴らしい。では、どうしたらそうした看護師になれるか話していきましょう。」
 
さて、これで、目標の共有はできていると思われますか?
 
 
 
そうです。これでは、目標の共有がなされていません。
 
何故なら、「患者さんから信頼される看護師」ってどんな看護師ですか?
 
「ミスもなく患者さんが安心して医療を受けられる看護師」
 
そうですね。これは信頼される看護師さん必要条件です。
 
しかし、信頼される看護師には更に
 
「患者さんの症状だけではなく、表には出ていない、心の変化も察知し、
声掛けや配慮が出来る看護師」
 
これも、「信頼される看護師」です。
 
もし、先ほどの会話で終わっていたら、部下は
 
「医療安全だけすればいい」と考えます。
 
しかし、上司は更に、その上の「患者さんの状態を察知できる」状態を目標と捉えているると
 
いつかの段階で部下はもう「信頼される看護師」になったと思っているのに
 
上司がいつまでもそれを認めてくれないと不満に思い出します。
 
そもそも、目指しているものが違えば、コーチングもちぐはぐになってしまいます。
 
目標は具体的にどんな状態がその達成した状態か言語化しましょう。
 
 
 
④現状の明確化
 
ここも、一見、簡単そうで、実は難しいです。
 
例えば、あなたが、部下の目標達成の進捗状況をまだ、3割と思っていたとします。
 
しかし、部下がもう7割達成していると思っているとするとどうでしょう。
 
上司はまだ、目標に程遠いと思い、厳しく指導します。
 
しかし、部下はかなりできていると思ってますから、上司の厳しい指導は苦痛に変わります。
 
では、どうしたら良いか、ここも、部下に聞いてみましょうl。
 
「ここまで、終わって、目標に対して進捗委状況は10段階でどれくらい」
 
「そうですね。7割くらいは進捗しています。」
 
「そうか。私が見る限りまだ、3割だよ。何が違うか突合せしてみよう」
 
こうして、現状認識は絶えず、部下と共有しておいてください。
 
 
 
⑤ギャップの明確化
 
これは③目標の明確化④現状の明確化ができていれば、その違いを明確にすることで出来ます。
 
往々にして、犯しがちなミスは③と④を飛ばして、いきなりこのギャップの明確化を図ることです。
 
例えば、こんな、やり取りを部下としたありませんか?
 
「さて、目標に対する進捗が遅れているが、原因は何だ?」
 
「そうですね。○○だと思います。」
 
「そうか、ならば、それを改善するには何が必要かな?」
 
一見、正しく、コーチングできているようですが、いきなりギャップの明確化から始まって
 
途中の③目標の明確化④現状の明確化がなされていません。
 
この状況でギャップの明確化をすると、運よく、それが、正しければ良いのですが、
 
もし、間違っていると、また、同じ
 
「さて、目標に対する進捗が遅れているが、原因は何だ?」をしなければ、ならなくなります。
 
③④で触れたように、部下と上司の目標や現状に対する認識は一致しているいるとは限りません。
 
堂々巡りしなように、確実に③④の明確化をしてから⑤ギャップの明確化をしてください。
 
 
 
⑥行動の明確化
 
コーチングは部下に行動変容があって、完了です。
 
折角、ギャップの明確化があっても、行動計画があっては初めて意味があります。
 
必ず、行動に落とし込んでください。
 
「それじゃ、課題が明確になったことで、まず、何から、誰と、何時、どのように始めようか?」
 
と、言った、具体的な行動計画を立てさせてください。
 
この時、よくあるミスですが。
 
「じゃ、この課題を解決するには、○○を先ずして、△△を次にしたらいいな」
 
折角、課題が明確になったんであれば、行動計画も自ら考えさえてください。
 
同じ行動を起こすにせよ、自らが口にした事と、上司から言わされた事は
 
実効性に大きな差が出ます。
 
 
 
 
⑦まとめ
 
この作業があると、明日からのコーチングが生きます。
 
「今日、ここまで、話してどうだった?」
 
「何か、不安や疑問点はある?」
 
こうした、締めくくりで、
 
本当に理解しているか?
 
本当にやる気になったか?
 
本当に行動するか?
 
が分かります。
 
さて、如何だってでしょうか?
 
このフローは知っていてもできていない方もいます。
 
知らなければ、尚更、できません。
 
よりよいコーチングができるよう。日々、精進しましょう。
 
 
 
そうそう。
 
今月の日本コーチ協会広島チャプター1月勉強会は
 
①のアイスブレイク特集です。
 
と言っても、セミナーで使うアイスブレイクですので、普通の1対1のコーチングでは使わないかもしれませんが、面白いセミナーですので、時間が合えば、お越しになってください。
 
日本コーチ協会広島チャプター4月勉強会
【日時】1月10日(水)19:00~
【場所】合人社ウエンディひと・まちプラザ
【テーマ】「場づくりのためのアイスブレイク講座」