* story *3 | じゆうちょう

* story *3

これ、今の僕の歌じゃないか。
本気でそう思った。


同時に目頭が熱くなってきた。

泣きながら空を見上げるなんて、悲劇のヒロインみたいで嫌だった。
下唇を噛んで、目にぐっと力を込めて空を見つめた。


「綺麗…」

無意識に口をついて出た。
街灯も満足にない月灯りだけの空には、いつしか5億の星が自分達を主張するようにキラキラと輝いていた。


「綺麗…」

今度は¨綺麗¨という言葉を五感で感じながら言葉にしてみた。


気付いたら噛んでいた下唇は歯の刺激から解放され、力を込めた目は細く優しく垂れ、白い雲が流れながら、口角は少し上がっていた。

肩の力が ふっと抜け、ゆっくりと瞬きをし、ほくはまた一歩一歩、ゆっくりと歩き始めた。