先日の韓国の旅客船沈没事故で、船長が真っ先に脱出したことが非難されている。
私も、このニュースを初めて聞いたときは、同様に思った。
私は、海上交通のことは詳しく知らないが、船長というものは、事故が発生した場合、最後に脱出するものだ、あるいは最悪、船と運命を共にする、と聞いたことがある。
そういう意味で、当初、この船長の行動は問題があると思ったのだが、話をいろいろ聞いているうちに、そう簡単ではないと思えてきた。
この船は、積載オーバーの形に違法に改造されていたようだ。
そのようなことは、船長の一存で決められることではなく、事故を起こした海運会社の方針だったのだろう。
まして、この船長は、契約社員だったというのだ。
この船長は、会社の業務命令で、この船の運航を任されたに違いない。
契約社員とはいえ、船長になるほどの人だ、この船が危険な状態であることは始めからわかっていたのではないか。
この船の運航をするのは納得がいかなくても、生活のためにやらざるをえない。
その気持ちは、サラリーマン諸氏ならば、容易に想像がつくだろう。
そして、契約社員の立場が弱いことは、日本と同じようだ。
そのような中で、命を懸けても乗客の安全を守るという精神状態が、涵養されるものかどうか。
このような状況で死んでしまっては馬鹿馬鹿しい、という気持ちが生じても不思議ではない。
結局、この海運会社の責任が大きいし、それを取り締まれなかった行政の責任が大きいのではないか。
まさか、行政の監督者が、賄賂をもらって違法改造を見逃してやったわけではないだろうが…
