Tracer900にヤマハのパフォーマンスダンパーを装着したので、簡単ながらインプレッションをしたいと思います。
まず、装着作業ですが、説明書を読みながら行えば、私の様な自分でオイル交換も出来ないド素人でも、約30分程度で完了できました。自分でやってもリスクが少ないカスタマイズですので、ぜひ挑戦してみて下さい。
但し、装着前に一度部品を仮組みしてみることをお勧めします。仮組みすることで装着イメージが分かり易くなります。
また、ボルトの締め付けはトルク管理が重要(設定値は説明書に書いてあります。)になるので、通常の工具セットの他、トルクレンチといじり止め形状のトルクスソケットが必要です。
私の場合、アマゾンで、
① DURATECH トルクレンチセット プレセット型 差込角12.7mm (1/2インチ) 40-220Nm
② トネ(TONE) トルクスソケット(いじり防止タイプ) 4TX-T50H 差込角12.7mm(1/2") T50H
の2点を購入しました。
で、さっそく取り付けを終えて後日走ってみたのですが、結論から言えば、パフォーマンスダンパーの装着はメリットとデメリットの差が大きく、使い方によっては装着しない方が良いのではないかと思いました。
メリット:
剛性感が増したというか、明らかにボディーのしっかり感が増したことを体験できます。高速道路を走ると、前後のタイヤに一体感が出て、正に鬼の直進安定性を体感できます。路面の段差等も軽快にいなすようになり、全体的に乗り心地が向上したというか、一クラス上のバイクに乗っているような感じがしました。メーターを見ていないと、いつの間にかにものすごい速度になっています。Tracer900はノーマル状態でも直進安定性は高いのですが、その感覚が増し増しになったような安心感があります。
デメリット:
明らかに曲がらなくなった。これは、交差点の右左折でも体感できるレベルです。特に峠道を走った時は、あまりにも曲がらず危うくコースアウトしそうになり、ヒヤッとしたことが何回もありました。とにかくフロントが曲がろうとする方向に全然入ってくれないのです。峠を抜けるまでは、大袈裟な体重移動とハングオフフォームでなんとかやり過ごしましたが、かなり怖かったです(大人しく走っている分には問題ありません(笑))。ビーフラインでGS1250の方と一緒に走ったのですが、腕の問題も大いにあるとは思いますが、ワインディングでは全くついて行けませんでした💦
私はどちらかと言えばワインディングを走ることが好きなので、私としての結論は、結局パフォーマンスダンパーを外すこととしました。正確に言えば、また使うこともあるかもしれないので、パフォーマンスダンパー後部のボルトを一本抜いて、ダンパー機能が働かないようにしました。
高速道路を走っていた時には、ヤマハはなぜ、こんなすばらしいダンパーを標準装備にしないのだろうかとも思ったのですが、峠を走り、「こういうことだったのかぁー」と勝手に納得してしまいました。
あくまでも私の個人的な感想になりますが、パフォーマンスダンパーは、高速道路で何百キロも走る人には素晴らしい効果をもたらしてくれると思います。でも、ワインディングを楽しみたい方には全くお勧め出来ないパーツだと思いました。
装着前に、一旦仮組してみました。
装着完了です。
結局、ダンパー後側のボルトを外し、機能を無効にしました。
一応、脱落防止のためにタイラップで縛っています。念のため。