本年、初めての投稿です。

遅まきながら、明けましておめでとうございます。

 

以下は、越谷市の年金組合332号への私の寄稿文です。

 

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小泉八雲の日本人への理解      渡邊穰二(2026年1月)

 

NHKの朝ドラ「ばけばけ」が、高視聴率を記録している。

 

「ばけばけ」は、100年以上もの昔、西洋人が日本人をどう見たかを知るうえで、たいへん、興味深い。

 

私は、世界で30か国。国際的な業務に従事してきた。

 

若い技術者として、私は、ヨーロッパ人が、日本人の頷きを誤解することを知った。日本人の頷きには、必ずしも肯定の意味はなく「聞いています。」だけである。

 

英語には、「よろしくお願いします。」もない。

技術論文となると、日本語を、そのまま翻訳できず、英文として全面書き直しであった。

 

日本と西洋とは、言語の構造が異なるだけに、人の心理までもが、異なる。

英国の上層は、話し言葉で差別化を図る。

朝の挨拶でさえ、時に抑揚を変え、上下関係を示威する。

 

1980年、不況に苦しむ英国で、日系企業YKKが、TVで取り上げられていた。

 

番組では、女性従業員が、「ここは、階層がなくて、まるで天国!」と興奮気味に語っていた。

 

YKKは、

創業者吉田忠雄の経営哲学「善の循環(他者の利益⇔自分の利益)」で、その後、世界的な成功を収めている。

 

近年、日本の大谷翔平などのスポーツ、映画やアニメの影響で、日本人の考え方が、広く外国の人々にも共有されつつある。

 

小泉八雲の著書「日本人の微笑み」に、ある外人の体験談が出ている。

 

日本人の女中が、旦那の骨壺を見せて、「こんなになってしまって。」と微笑みながら、外人に説明する。

 

外人は、旦那の死を伝える時に、ほほ笑むのは、異様だと言うのであるが、小泉八雲は、「日本人は、自分が不幸のどん底にいても、自分の悲しみが他に及ばぬよう気遣うのだ。」と説明した。

 

子供の頃からジャポニズムに憧れたフランス人。

 

劇作家でもあったポール・クローデル(1868-1955年)は、1921~1927年、フランス大使として日本の文化人と広く交友した。

 

1943年11月、パリの夜会で「決して粉砕さるべきでない一つの民族が、日本人だ。あれほど興味をいだかせる古代より続く文明は、消滅してはならない。日本人は、貧しい。しかし、高貴だ。」と語った。

 

 

 軍拡競争の波が拡大している現代の世界で、日本の強さは、時代を超え、連綿と続く文化力、日本人そのものにあることを忘れないようにしたい。