アメリカで鍼灸師になるための情報を書く前に、なぜ私が鍼灸師になろうと思ったのかを書きます。
アメリカでは女性も仕事を持っている人がほとんどです。
経済的な理由ももちろんありますが、多くの人は普通に自分のキャリアを大切にしています。
(よっぽどのお金持ちの奥さんだと、チャリティなどで忙しいため仕事をしていない場合もある)
日本では専業主婦はむしろある種のステイタスだし、日本人ママで専業主婦で充実して生活している人もけっこういます。
お料理上手な方々がたくさん。
(なので、どちらが良い悪いではなく、私個人の感じ方です)
子供が小さかったころ、同じ年頃の子供のいる近所のアメリカ人のママたちと週に一回集まって子供たちを遊ばせていました。
彼女たちの職業はというと、
・精神科医
・小児科医
・経営者
・大学教授
という面々でした。
しかも、私なんて普通の会話でわからない時も
でも、優秀な人って心も広いんです。
嫌な思いをしたことは全くないのですが、私はけっこうなコンプレックスの塊になっていました。
あれから、10年近く経ちますが、今から振り返ると彼女たちにもいろいろあったと思います。
シングルマザーの人もいたし、二人目が欲しくてもできなかったり、離婚してしまったり、病気になったり。
(側から見たら)やりがいのあるいい仕事があっても、仕事上の苦労もあるだろうし、プライベートでもそれぞれいろいろ悩みがあって、彼女たちから見たら、実は私の方が幸せそうに見えたかもしれません。(いや、それはたぶんない)
最近よく思うのは、どんなに恵まれているように見える人でも、健康、離婚、不妊、経済的問題などなど、何かしらの悩みがあるような気がします。
あるいは小さいころすごく苦労していたとか。
でも、当時は私だけ何も自分のキャリアがなくて劣ってる~、と思い込んでいました。
自分でももやもやしている時、さらに夫からも「ボランティアでもなんでもいいから、何か始めたら?」と言われていました。
私にもきちんと自分の仕事(ボランティアでも)を持ってほしいというのはわかりました。
そして、もちろん!私も何かやりがいがあることをしたかったです。
(以前、何かで武田久美子さんがご主人から働くように言われた、というような記事を見ましたが、アメリカではよくあることだと思います)
私の場合は幸い経済的には安定していたので、お金のためにということではなかったのですが、それでもプレッシャーでした。
アメリカで私ができる仕事って???
(それまでは私も一応仕事をしていましたが、アメリカではまた一からやりなおし)
そして何よりも「私って何をしたいの???」 と子育ての大変さも相まって暗い気持ちの数年間。
環境問題にすごく興味があったので、大学院を探すもののシカゴにはないことがわかり(隣のミシガン州にはあったけれど、引っ越しはできないし)、院を無事に卒業できたとしてアメリカ人と競争して就職できるのか疑問に思いました。
家でできるし翻訳もいいかも、と思って、枝廣淳子さんの環境翻訳の通信講座を取ったのですが、これも今一つぴんときませんでした。
翻訳って英語力も日本語力も必要なんです・・・
(でも、すごく勉強になりました。今はボランティアで鍼灸関連の雑誌の翻訳をしています。ちゃんと役に立ってる。人生に無駄はないですね)
もともと健康オタクのようにすごく健康には興味があり、鍼灸治療は日本でも行っていたし、代替医療も大好きでした。
下の子供を妊娠中、助産婦に勧められていった鍼灸院が全然良くなくて、(鍼灸師でもないのに)私の方がうまい、というなんの根拠もない自信が。
そして、自分自身、(今から思えば)けっこうな産後うつになっていたのと思うので(当時はあまり自覚はなかった)、異国の地でがんばる日本人ママたちのお役にたちたいという思いもありました。
そして、他の職業だったらもしかしたらデメリットになるであろう、アジア人の顔、ネイティブではない英語でも問題なく、むしろメリットとして働けるかも、と思い鍼灸師の資格について調べ始めました。
調べたらシカゴには2つ(郊外を合わせると3つ)も鍼灸師の資格が取れる東洋医学の学校が。
鍼灸師の資格を取ろう、と決めて、家から通える3校を学校で拘束される時間や通学状況などを比較し、見学もして学校を選びました。
けっこう消極的な判断でしたが、今は鍼灸師になってすごくすごく良かったと思っています!
余談ですが、冒頭のママたちはすごいキャリアでしたが、ほとんどの近所の人は普通の会社員がほとんどです。
(たぶん)
でもたまに変わった職業が。
びっくりしたのが、
FBI(!)の人がいます。
少し前は麻薬捜査を担当していたとか。
えー、普通に家族とかいて生活しているのね、とびっくり。
そして、シカゴシンフォニーオーケストラのメンバーの人もいます。
(このオーケストラに入るのはかなり狭き門だと思う)
私も、下手ですがフルートを練習しているので、楽器を職業にしているのってすごく憧れます。