何分経っただろうか

会場の明かりが付いても

鳴り止まない拍手。

 

「…どないしようか」S

 

メンバーが黙り込む中

HAYATOが口を開いた。

 

「俺さ…あれやりたいな」H

「あれ?って?」S

「クリスマスに出す予定の…」H

「やって…あれは

ファンへのクリスマスプレゼントに

するんやろ?」J

「そうやけどさ…ファンクラブ入ってさ?

  シークレットとかさ?旅行とかさ?

  こっちの都合で決めとるのに

絶対皆、来てくれるやん?

今日、おる子達やってさ?

知らない子おらんくないか?」H

「確かに…昔から来てくれとる子ばっかりやな」S

「皆、大切にせなアカン事は

分かっとるよ!でもさ?

俺達のが音楽出来なくなった時も

ずっと待っとってくれたやん?」H

「待たせたな…」A

「皆の顔、思い出しながら

書いた曲やもんな!」J

「おう」H

「まぁ、CDにはするつもりは無い曲やし

クリスマスにしか聞けない曲を

プレゼントとして作ったしな…」S

 

メンバーが色々話してると

飽きれたマネージャーが来た。

 

「どうするの?アンコール!

やるの?やらないの?」マ

「…え?」A

「クリスマスプレゼントは!

もうあるでしょ?次ライブの告知!」マ

「…はい」S

「それは、全員へのクリスマスプレゼントでしょ?」マ

「うん」J

「じゃ!今日来てる人へのプレゼント!

  どうすんのよ?」マ

「…え?」A

 

マネージャーが言ってる意味が

分かっていなかった。