2023年5月8日(月)、大騒ぎだったゴールデンウィークが終わり、忙しい日常生活が始まった。


昼過ぎ、会社で仕事中に携帯電話が鳴った。出てみると2日前にお世話になった警察署からの電話だった。


「お父さんが警察署にいらっしゃっているのですが、引き取りに来て頂けませんか?」(警察官)


「今、仕事中なので、直ぐには行けないのですが。また、なんでそちらに行ったのでしょうか?」(私)


「本人の話だと2日前に警察署に連れて来られた理由を知りたいので来た、と言っています。」(警察官)


「そちらまで自力で歩いて行けたのなら、自分で歩いて帰れるでしょうから、自分で帰らせて貰えないですか?」(私)


「お父さん、認知症ですよね。そんな人を一人で帰らせないですよ。」(警察官)


「ただ、私も夜まで引き取りに行けませんし。。」(私)


「ちょっと待ってください。」(警察官)


警察官は一旦、電話を保留にした。


「上司と相談して、パトカーで自宅まで送る許可が出ました。今からお父さんを自宅に送ります。但し、パトカーはタクシーでは無いので、この様な対応はこれっきりにしてくださいね。」(警察官)


「ありがとうございます。父には二度と警察署に行かないように私からも言い聞かせます。」(私)


1〜2時間後、私は実家に電話した。電話口に母が出た。


「お父さんがパトカーに乗せられて帰って来た。」(母)


「うん、さっき警察署から電話があって、お父さんがまた警察署まで行ったんだって。」(私)


「また何でだろう?」(母)


「この間、警察署へ連れて行かれた理由を聞きに行ったらしい。」(私)


「理由って何にも覚えて無いんだろうか?」(母)


「覚えて無いんだろうね。」(私)


「どうしてこんなになっちゃったのだろう。」(母)


「お父さんに代わって貰える?」(父)


「うん。」(母)


程なくして父が電話に出た。


「おう、なんだ?」(父)


「お父さん、警察署に行ったんだって?」(私)


「ん?行ったっけ?」(父)


忘れているのか、とぼけているのか分からない。父は昔からとぼける事が多かった。また、長年、工事現場で働いていた為、耳が遠く、加えてとぼける事があり、実際に理解しているのか、本当の事を言っているのか、分からない事が若い時からあった。


母に電話を代わって貰った。


「本当に忘れているのかな?ちょっと分からないね。」(私)


「自分で歩いて行ったんだから覚えていうでしょ。いくらなんでも。」(母)


「そうだよね。いずれにしても、警察署にはいかせない様に気を付けてね。」(私)


「勝手に行っちゃうもの止めようが無いけど、分かったよ。」(母)


その後、父が自ら警察署に行く事は無くなった。行ったらまずいという事を認識したのであろうか。


数日して父の介護認定調査の日取りが5月19日に決まった。姉が同席してくれる事となった。