2016年に1回目の運転免許の高齢者講習、および認知症検査は合格点ギリギリで受かることが出来た。父が78歳の時である。
父は大喜びし、3年後の次の試験も受かるぞ、と息巻いていた。
私は「受かりたかったら今日から毎日、練習問題をするように」と父を諭した。
そして、最後に電気自動車に乗ってみたいと言いい、2018年には新しい車を買ってしまった。
ディーラーの営業マンが実家まで乗ってきた電気自動車に乗せってもらい、そのままディーラーまで行って、その電気自動車を契約してきてしまったのだ。
購入金額は約600万円。。
後で分かったことだが、色々とオプションもめいっぱい付けて、同時に入った保険も1年で23万も請求されていた。ディーラーにとってもいいカモだったことでしょう。
母は「勝手に決めてきた」とかなり怒っていたものの、すぐに怒って手を上げそうになる父を抑えることが出来なかった様だ。
2019年春、また母より電話がり、今度こそは運転免許の高齢者講習の認知症検査が受かりそうにないとの事。練習問題を全く解けなくなっているらしい。
また、運転免許試験場へ行った父が、高齢者講習の受付の対応した職員に「なんでこんな講習をするんだ、自分にはこんな講習を受ける必要は無い!」と食って掛かったようで、帰宅後に自慢げに母に話していた。ただ、却ってそれが職員に悪い印象を与えたのかもしれず、認知症検査を受けて提出するように、という封書が届いた。
そして父は行きつけのクリニック(心療内科)で認知症検査を受け、診断書を見ると「認知症」と書かれていた。
父は長年、仕事現場が電動工具など大きな音がする環境にいたため、耳が遠かった。補聴器をするように勧めたものの、嫌がって買い与えても補聴器をすることはなかった。
耳が聞こえてないだけでは・・・。
その当時、まだしっかりしている時もあった父を認知症とは私も思えず、セカンドオピニオンとして、さいたま市で一番大きい精神病院に連れて行って検査してもらうことにした。
その病院では「長谷川式」とMRIで検査し、長谷川式は19点、MRIでは海馬、前頭葉、側頭葉の萎縮がみられるとの事で、結局、「認知症」と診断された。
そして、診断いただいた先生から父の行きつけのクリニックには、脳の血流を促進する薬を増やすよう、お手紙を書いていただいた。(ただ、これがクリニック側では指示どおり処置されていなかったことが判明)
この時、初めて本当に父の認知症と向き合わなければならないのか、と自分でもショックを受けたことを覚えている。
父を実家に連れ帰った後、父と母には診断結果を伝え、免許更新は諦めて免許を返納するように伝えた。
父はそれを聞いても、「免許なんてなくても運転できる」と笑いながら強気に言い、
母は「運転している時は全然危なげないんだけどね」「もう長野にいけないね」と寂しそうに言った。
(両親は長野県の母の実家近くにセカンドハウスを持っていて、1年のうち数か月はそこで暮らしていた)
「長野の家には自分が連れて行ってあげるよ」私が言えるのはそれだけだった。
結局、父は「認知症」という医師の診断書を提出せざるを得ないことから、免許を更新できず自主返納した。
代わりに貰った運転経歴証明書を見せて、「これで運転できるぞ!」と父は私と母に見せびらかした。
私は「絶対に公道で運転してはダメだぞ」と言い返したが、父は笑っているだけだった。