古田敦也氏「リーダーシップ論」 | 海を愛する組織開発・人事・教育・総務コンサルタントのブログ

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今回は4月18日、一般社団法人 志友会 主催による「第3回志友会塾 日本進化論セミナー」に行ってきた話を私なりにまとめようと思う。

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ゲストは元プロ野球選手の古田敦也氏
話のテーマは「リーダーシップ論」

日焼けした締まった体。
現役引退後、トライアスロンをやるようになり、いまではアイアンマンレースを完走するほどだという古田さん。
グレーのスーツをこれほどかっこよく着こなす人はなかなかいない。

また、テレビで拝見していて、頭の回転の良い方だと思ってはいたけれど、ユーモアを交えて聴衆を引きつけながら話すその話術に感心させられた。



さて、セミナー。
話は選手会長を務めていた時のリーグ合併騒動から始まった。

「球界はエンタテイメントであり、ファンのためにもコンテンツを縮小させる訳にはいかない」と思ったが、当時は選手たちが一枚岩ではなかった。
そこで、1人1人に話をしていくという細かな作業を繰り返したという。

このブログには書いていいかわからないので書かないが、当時の球界構想の裏話など大変興味深い話が飛び出し会場が盛り上がったところで、話はテーマであるリーダーシップへ。


◆リーダーシップについて
リーダーシップは「求心力」にニアイコール

◆野村監督のリーダーシップ
野村監督のリーダーシップのひとつの特徴は「教育」
ミーティングで細かく伝えていくタイプ。

選手たちとの顔合わせで、所信表明をするのが一般的な野球界。
野村監督はホワイトボードにいきなり「耳順」と書いた。
目や手は当たり前。耳(情報)を使える人は残るという。
また、人間として成長しなければ選手としての成長はない という話をした。

また、仕事とは関わっている人間をハッピーにしなければならない。
チームに関わる人をハッピーにするには勝たなければならず、そのためには何をするべきかを徹底して考える。
そのことでチームとしての価値観の共有を図り、同じ方向に向けていく。
そうしたミーティング(講義)を繰り返ししたという。

また、野村監督のリーダーシップ。もうひとつの特徴は「トップダウン型」であった。
これは、もちろん有効に機能する場合もあるが、チームが動けなくなる時もある。
都度、トップ(監督)に聞きに行く(許可を求める)ことが必要になるからだ。

このあたりはビジネス世界でも同じだと思いながら聞いていた。

しかし、野村監督との出会いの場面から話した内容まで良く覚えている古田さんは流石だと感じた。
それほど古田さんの人生には強烈だったのかも。


◆若松監督のリーダーシップ
ある意味で野村監督の真逆。
ミーティングはない。セクションコーチに全て任せる。(責任と権限の移譲)

ヤクルトは活躍すると他球団に引き抜かれることが多かった。
球団事情もあるものの、主力選手のぽっかりと空いたところに、他の球団から選手を連れて来るのではなく2軍から若手を上げた。
若手が120%力を出せる「環境」を作るのがうまいチームであり監督であった。


◆古田監督のリーダーシップ
話はその後のご自身の監督兼選手(兼選手会長)として奮闘していた時の話へと移った。
野村監督、若松監督というタイプの違う2人を見て、ご自身は「極に振れ過ぎない」ことを意識したという。

(古田さんが監督時代に感じたこと)
今の若手は情報が多い時代に育った。優秀な若手は情報が多すぎる故に大事な時に響かない時がある。
また、過去の成功体験がジャマをして伸び悩むケースがある。
過去の体験に捉われずに、いまある環境に対応できた人が残る。

(古田さんが会場のビジネスパーソンを意識して語られたと思われた内容)
(1)プレイングマネージャー
監督兼選手でいた時にいろいろ言われたが、自分はそれほど特別な気持ちではなかった。
ビジネスの世界ではよくあることだと思う。
ここにいるみなさんや、多くの会社で「俺はマネージャーだ」と管理だけをしている人は少ないでしょう。そんなに人に余裕はない組織で、みんな頑張っているのだ。

(2)組織・部下について
選手層が薄い時、不平を言っても始まらない。
完璧な選手などいない、人材不足の中で「使っていかなければならない」
これは皆さんの会社でもそうでしょう。
その時に、上からものを言うだけでなく、上に立つ者が若手のところまで降りていかなければならないと思っている。


<所感>
古田さんは名捕手としてグラウンド全体を見て戦える視野の広い選手であった。
同時に、球界全体のマーケットやその行く末という「市場」「時間軸」で物事をとらえる視野も持っていた。

そして、リーダーとしては個々に向き合うタイプであると感じた。
心を開かない若手選手の部屋にプレイステーションをしにいった話や
選手個々の性格に合わせた対応方法を考えていた話などからそう感じた。

鷹の目と蟻の目を持ち合わせるよきアニキといった印象だった。


私は、この古田さんの講演を聞いたあと、
野球とラグビーというスポーツの特性の違いにもよるかもしれないが、
以前、話を聞いたラグビー前全日本監督・神戸製鋼監督の平尾さんとの違いを考えていた。

チームをひとつのかたまり、あるいは大きく2つの年層に分けて
感情のぶつけ方などを考えていた平尾さん。

選手個々の特性に合わせて、相手のところ(情報量や趣味)まで降りて行って感情を抑えて向き合った古田さん。

私には両方とも勉強になった。
そして、古田さんの仰られたように「極に振れないように」して、学んだことを自分自身に活かしたいと思った。