日々勉強!と思い、私はいくつかの人事担当者の勉強会に参加しています。
そのうちの一つが今週ありました。
今回の勉強会のテーマは、各人事担当者の考える「管理職教育をいかに定着させるか」「そのための秘訣」といった内容。
その勉強会の前段として、参加者一同、JFEスチールの東日本製鉄所の見学をさせてもらいました。
JFEスチール株式会社の東日本製鉄所は東京湾の東西に拠点を持っています。
東側が旧川崎製鉄株式会社の千葉地区(JR蘇我駅)、西側が旧日本鋼管株式会社の京浜地区(扇島)です。
今回は、この千葉地区を見学させてもらいました。
これまでいろいろな企業の工場や研究所を見学しましたが、スケールおよび迫力の点で圧倒的でした。
なにしろ敷地だけで、東京ドーム176個分の広さ。
各工場の中は全て車で移動します。会社の中を鉄道が走り、信号があり、専用の消防車がある。そして、溶鉱炉の外観は、宮崎駿の映画にありそうな、まるで動きだしそうな独特の雰囲気があります。
私は製鉄工場を見学できるとあって、TBS開局55周年記念ドラマ『華麗なる一族』(原作:山﨑豊子)の木村拓哉演じる阪神特殊製鋼の万俵鉄平になりきっていました。
見学バスの中から、溶鉱炉建設に打って出た時の万俵専務(私)、一丸となった阪神特殊製鋼の現場社員たち(各社人事担当者)と勝手な想像にひたっていました。
さて、見学は、熱間圧延工程から。
テレビの映像などで見かけるオレンジ色に熱された巨大な延べ棒のような鉄の板が流れてくるあの工程です。
真っ赤に熱せられた厚さが20センチ以上ある巨大な鉄の塊を圧縮して、うすい(わずか0.8ミリ)鋼板を作る工程。
巨大な鉄の塊は人が歩くくらいの速度でゆっくり流れてくるのですが、圧延機の終わりでは0.8ミリの薄さの鋼板になるので、その分時速が50~60キロにもなって流れてきます。
まず轟音とともに熱せられた鉄板が出てくると、あたりの温度が一気に上がります。
見学コースまで一気に暑く(熱く)なります。夏場の見学は大変だそうです。
温度管理や厚みのコントロールなど非常に精密に管理されていると説明いただいたものの、真っ赤に熱せられた巨大な鉄板の表面に水をかけたり(表面の黒いものを吹き飛ばすらしい)、7台もの仕上げ圧延機を通った鉄板が冷却工程を時速50~60キロで流れる様子は圧巻です!
次に、鉄を作る工程としては逆になるのですが、製鋼工程を見学しました。
これは、溶鉱炉から出てきた硬くてもろい「銑鉄」を強くてしなやかな「鋼」にする工程です。
これもたまにニュースなどで見かけますが、真っ赤なマグマのような銑鉄を何メートルもある巨大な鍋(溶銑鍋)で転炉に流し込む工程です。
これがもう「すごい!」の一言。
最初にちょっとした船のような入れ物に入ったスクラップを巨大なクレーンで吊るして、転炉に入れます。
これだけでも十分な迫力ですが、その工程を見ている後方から巨大な鍋がやってくるのが見えます。ドキドキです。
スクラップを入れていた船のような入れ物を下ろすと、いよいよ銑鉄の流し込みとなります。
「燃え盛る加工に巨大な鍋でバシャーっとマグマを注ぎ込んだら噴火した」みたいな訳わからない勢いで鍋ごと炎に包まれるんです。
いくら耐火性の材料で作られているとはいえ、建物の屋根にまで炎が噴きあがり、鍋から下は火花が噴き出すのを見ると「大丈夫かな?」と思うくらいです。
この迫力に各人事担当者は、すっかり子供になっていました。
奇声を上げて喜ぶ者、バンザイする者。
私、木村拓哉演じる万俵専務はというと「火事だぁ~!!」と叫んでバンザイしていました。(アホです)
さて、迫力に酔いしれた様子はこれくらいにして、感心した点をご紹介したいと思います。
それは、安全衛生の意識の高さです。
広大な敷地、野積みされた鉄鉱石や石炭といった原材料、迫力あるモノづくり・・
しかし、よく見ると管制室はもちろん、工場内は余計なものは一切なく5Sが徹底されています。ウエスも密閉された専用のケースがあり、その中に入れられています。
安全に関する標語などは他の会社でも見かけるのですが、印象に残ったのは「声掛けは『ご安全に』」と書かれた表示板。
これは、ただの意識付けのためかと思いきや、本当に社員の皆さんはすれ違う時に「ご安全に」と挨拶をされているのです。
これには驚きました。
「お疲れ様」でもなく「こんにちは」でもなく、「ご安全に」
それが普通になっていること。
この徹底ぶりは素晴らしいなと勉強になりました。
安全は全てに優先する。労災をなくす。
これは日々の地道な意識付け、安全衛生活動によってなされるものです。
工場の様子と、社員のあいさつからJFEスチールの意識の高さ、日頃の活動が垣間見られた気がいたしました。