筋肉質な人財育成体系を構築するためのポイント3 | 海を愛する組織開発・人事・教育・総務コンサルタントのブログ

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前回は、人材育成体系再構築のための「1.階層別研修の再検討」について話をしました。

今回は、「2.部門別研修の再検討」です。

部門別研修は、営業や技術、製造、事務管理といった部門、あるいは事業部に特化して必要な知識やスキルを身に付ける研修を言います。

多くの企業の場合、営業戦略部や技術戦略部といった部門ごとの戦略部門や事業部の人事・総務部門に教育担当者がいて、これら部門別研修を企画・遂行しています。


部門別研修の再構築においては、本社人財開発部門と連携しながらも、これらの担当者が中心となって見直していくことになります。


ここでの留意点は、「階層別研修」とのダブりをなくし、レベル感を合わせた効果的な連携を図ることです。


意外と多いのが、階層別研修の若年層クラスで「ロジカンルシンキング研修」を時間をかけてやった後で、営業部門の若手研修で同様の「ロジカンルシンキング研修」があるといったパターンです。

もちろん、何回やっても構わないのですが、不況下でよりより筋肉質な育成体系を構築することが目的ですから同じ内容のプログラム重複は避けたいものです。

ここで、第1回目にお伝えしたこと、
育成体系再構築のKSF(成功要因:Key Success Factor)は、「階層別研修を担当する部門(主に本社部門)によるプログラムレベルでの情報公開」と言ったことが意味をなしてきます。


第2回でお伝えした「1.階層別研修の再構築」によってできあがった階層別研修の全体像について、プログラムレベルで教育担当者が共有することが重要となるのです。

これが育成体系をMECEにする(モレなくムダなくする)ためのポイントです。

プログラムレベルで共有できている企業は意外と少ないです。

例えばある事業部の技術教育の担当者が、入社3年目研修をやっていることは知っていても中身を知らないといった具合です。

どんなことをやっているのか概略を知ってさえいれば、ダブりなく効率的な研修プログラムを考えることができます。

例えば、新入社員研修で「ロジカルシンキング」(ロジックツリー、MECE)をやった後、
「営業基礎研修」でロジックツリーを利用して適切な主張を行う「プレゼンテーション初級」を実施したり、
「技術員研修基礎講座」と称して「なぜなぜ分析(真因分析)」を導入するといった具合です。

このように部門別研修の再構築では、階層別研修との整合性をとっていくことを心がけます。


あとは、階層別研修の場合と基本は同じです。

“部門別研修の”階層ごとの「あるべき姿」を言語化して、それに必要なプログラムをバランスよくムダなく配置していくことです。

ここでの注意すべきことは、階層別研修の時よりもより細かく具体的に「あるべき姿」を定義づけることです。
例えば、いくつかあるあるべき姿のひとつとして、入社5年目までに「サンプリングと抜き取り調査について、後輩を指導できる」といった具合です。
最初に作った「あるべき姿」がもうひと段落ブレークダウンしたイメージです。


そして、この部門別研修の再構築を全体としてうまくいかせるためのポイントがあります。
それは、本社人財開発部門の適度な介入です。

実は、事業部や部門、担当者ごとに教育に対する温度差というものが存在します。
営業部門は教育熱心だが、製造部門は現場任せであるといった具合です。

これを改善して全体としてバランスをとるためには、先ほどお伝えしたように本社人財開発部門が適度に介入します。

例えば、「〇月×日までに階層ごとの「あるべき姿」をフォーマットに入力して提出して下さい。」といったように再構築を推進していくことであったり、
教育担当者会議を主催して進捗や事例を発表してもらう場を作るなどです。

このことで、担当者ごとの温度差の問題はかなり解決できますし、担当者間の連携やプロジェクトに対する一体感を喚起することが可能になります。

「階層別研修の新しいプログラムに向けてまずは自分たち(本社管轄)のことを頑張らなければ・・」
「部門別研修を再構築するステージだからお任せしよう」

というスタンスでは、なかなかうまくいきません。

これが終われば、かなり強い教育体系が出来てくるはずです。
大変だと思いますが、ここが踏ん張り時だと思って頑張って下さい。



さて、次回はいよいよ最後のステージ「3.選択型研修と特定対応研修の再検討」です。