絵チャ記念!!詳細は。1をお読みくださいね!!

と、言う訳で、さなさま、神武さま、キューブさま、miyaさま、緋色さま に捧げます。

要らないって言われても勝手にささげます 爆)

***************ペルソナ3 for プレイステーションポータブル SS 


                 acquaの妄想二次創作*************************************


 女性主人公版。
 二次創作につき、そっち方面に理解のある方のみどうぞ♪




************ 彼と彼女 -2-

「先輩?」

呼びかけられ、ハッと我にかえった荒垣が顔を上げると、彼女に顔を覗きこまれていた。
予期していなかっただけに、目の前にある、彼女の顔に、心臓が跳ねる。

自分でも、赤面しているのが分かったが、気付かぬふりをして、彼女から身体を離す。

「何、飲みますか?」
「あー…、ビールでいい。」
「…日本酒でもいいですヨ?」

いたずらっ子の様な、キラキラした瞳で彼女が口にする。
この笑顔が曲者で…、いつも、結局してやられていると分かっているから、荒垣はなるべく見ないようにと、そっぽを向きつつ答える。

「要らん。ビールでいい…。」
「はぁーい。」

彼女は、全員分の希望を取ると、引き戸を開けて店員に声をかけ、注文をすませる。
てててっと、小走りで戻ってきた彼女が座ると、荒垣は顔を寄せ、彼女に小声で話しかける。

  『おまえなぁ、日本酒だけはダメだって、分かってて言ってんのか。』
  『だって、酔っぱらった先輩可愛いですもん。』
  『かっ!? ばかっ!! 
   ここで、酔うわけにいかねーだろうが。』

「そこ、二人の世界作らない!」

順平の声が飛び、荒垣が慌てて身体を離すが、横で、彼女は、極上の笑顔を順平に返している。

--相変わらずだな…。

彼女の横顔を見ながら、荒垣はほっとする。
この笑顔を、ずっと、守ってやれたらと、心から、思う。

「お待たせしました~!!」

引き戸が開き、店員が飲み物を手に入って来る。
それぞれの前に、飲み物がそろったところで、美鶴が口を開く。

「皆、今年も、こうやって逢えて嬉しく思うよ。
 年に一度の、再会に…、乾杯。」

「かんぱーい!!」

美鶴の言葉に、かぶるように全員が唱和する。

運ばれてきた料理に手をつけつつ、談笑が始まる。
ゆかりや風花と、楽しそうに話をしている彼女の顔を、ぼんやりと眺めながらビールを飲んでいた荒垣の横に、美鶴が移動してきた。

「荒垣、少しいいか。」
「…まぁ、構わねえ…が。」
「相談というか、頼みというか…。」
「断る。」
「…まだ、何も言ってないぞ。」
「お前の頼みなんざ、ろくなもんじゃねえからな。」

速攻で拒否した荒垣ではあったが、基本、話を聞く姿勢までは捨ててはいない訳で…、結局は最後まで聞くのだが、聞いている間に、相手の手の内に取り込まれ拒否できなくなるのが常だ。
だが、この時点では、気付かない。

「頼みというか…。
 この、ポロニアンモールの中に、店を出す気は無いか?」
「あ? …今、なんつった。」

荒垣は、ジョッキをテーブルに置くと美鶴に向き直る。

「シーサイドガーデンに抜ける階段がある場所、分かるな?
 あの横に、小さいながら、スペースがあるだろう?
 そこに、ちょっとしたビルを建てて、まぁ公園で遊ぶ人向けというわけでもないんだが、飲食店と、休憩が出来るスペース何かを入れようと思っている。

 シーサイドガーデンも、私達が寮に居た頃は結構な穴場だったが、今は、身近で自然を満喫できるスポットとして、結構週末はにぎやかだぞ。
 あの場所で、オープンカフェ的なものをやれば、いいんじゃないかと。

 …まぁ、実験的な意味も込めて、期間限定でオープンしてみようと思っている。
 どうだ、出してみないか?

 今働いている店は、ひとまずはやめてもらわないとならないから、直ぐに返事をくれとは言わない。

 考えてみてくれないか。」

「期間限定…か。」

「さんせーい!!!」

荒垣の呟きに、明るい声が被る。
美鶴と荒垣が顔を上げると、全員が二人を取り囲むようにしていた。

「いいじゃないですか、先輩。
 あそこ、前に行った時、結構気持ちよかったし、昼は紅茶とかアフタヌーンティとか!!!
 で、夜はゴハン屋さんで…。」

にこにこと笑顔を浮かべ、無邪気にそう口にする彼女に、荒垣は苦笑する。

「ったってなぁ、お前…、一応いまんトコ辞めて、だぞ?
 期間限定って事は、それ終わったらまた、別のとこ探さないと…。
 大将に申し訳が立たねえだろうが…。」

「ああ、それなら問題ない。
 期間限定だが、それは色々と実験的にやってほしい事があるからだ。
 テナントとして、採算が取れると判断できたら、お前に任せたい。」

「え…。」

「ひゃっほーーー! 荒垣食堂オープンっすねーー!!
 美味い定食とか作ってくださいよ! 俺っち、毎日通いますよ!!」
「あ、私も…、仕事終わってからとか、週末とか、お手伝いさせてもらってもいいですか?」
「あー、みんなズルーイ!!
 あ、カフェメニューとかなら、相談に乗りますよ!!
 雑誌で取り上げられてるトコは、大体行き尽くしてますから!!」
「わーい!じゃあ皆で作戦会議しよう!!!」
「そうだな。
 これはビジネスの話だが、皆の意見を取り入れて決めようと思う。
 各自、平日の夜で会議に参加できる日を、後で送ってくれ。
 日程を調整しておくから。」

荒垣は完全においてけぼりにされたまま、話が進んでいく。
その様子を、荒垣は呆然と見つめている。

「先輩、私もちゃんと手伝いますからね!!」

くるん、と振り向いた彼女が、極上の笑みを浮かべて、荒垣に声をかけてくる。
その、笑顔に、荒垣は、もう、何も言う事が出来なくなってしまった。

本当に、この笑顔は、性質が悪い。
囚われてしまったが最期、もう、手放すなど考えられない程に。