私の心の扉は決して開けないで下さい


その声は私の血を逆流させ

発狂しそうな姿を

本当の私をあなたには見せてしまうから



そこにあるパンを一欠片分け与えて下さい

そして私の止まった時間を還して下さい


あなたは私が流してきたこの血の塊を

永遠に見て見ぬふりを繰り返してきたのだから



女王蜂たちが

血みどろの斧をふりかざしている


命の猶予など私には知り得ないし

残っている時間さへも分からない

もぎとられた心臓のままで

こんなところまで私は歩いてきた

くる日もくる日も鉄球の足枷をしたまま

あやふやな十字架を眺めてきた



その鍵を開けて下さい

私の全てを見て下さい

ありのままの私を見つめてください

このままの私を愛してください


そして陽はまた昇っては沈んでゆく



雨の降りそうな

地面に堕ちている

ぼやけた人影を見つめたまま