夜の当番。 | せからしか!

夜の当番。

いや~ん!エッチ。


いやいや、そんなんじゃなくて・・・・・・・


我が社では、職員が一人づつ順番で夜の8時まで遅番をするのです。


以前は6時半までだったのでそんなに苦にならなかったのですが・・・ 僕の前の工場長が業務で車検の勧誘電話してた時に、6時半で遅番が帰っちゃうと、結局は仕事でかかってくる電話や出張修理なんかの対応もしなきゃならないので車検の呼び込みができないっていう理由で所長をけしかけて、遅番は8時までっていう労働条件改悪があっさり決まっちゃったのでした。


ほんま、凄い会社だよ。


以前は、完全週休二日(土曜日は三名の日直・日曜日は一名の日直体制。)という夢のような時期があった・・・・


しかも、年間に一度だけ5日までの有給を連続して取れるなんていう本当に今考えると夢のような時代が3年間ほどあったのだ。


(・・・・・・・・・ただし、給料はそれなりです。公務員並ではありません。念の為。)


長女が小学校に上がる前に、家族8人みんなで宮崎県は高千穂峡へ行ったのが最後だったなあ。予算は僕の両親持ち。


うわ~!もう、11年も経っちまった。




話がかなりワープしかけたけども、


この間、僕の遅番の日に「公民館評議員会」ってのが重なっていたので、前日の遅番の若い職員と順番を変わってもらいました。


さて・・どうせ、僕は売上の伝票とかも作成してるので帰る時間はいつも遅め。時間はあっという間に経ちます。


そろそろ午後8時・・ そろそろ帰り支度や と思ってたら・・


一台のワゴン車が会社に飛びこんできました。


「あの~!頼みを聞いてもらえませんか!」


「なんでしょう?」


「実は、大切なカードをクルマのドアの中に落としちゃったんです。なんとか取り出してもらえないでしょうか?」


やれ、やれ、もう帰れると思ってたのになあ。


「じゃあ、とりあえず工場の中まで入れてもらえます?シャッター開けますから・・」



セレナ   (写真と実車は同一ではありません。)

クルマは日産のセレナの旧型。県外ナンバーであきらかに一見のお客。(会社の照明ついてたので入ってきたな。)


「何処に落としたんです?」


「スライドドアの中です。」


「はあ?(冗談だろうがよ!スライドドアの中なんか取れねえぞ!)」


内張りを外したけども、やはりというか、案の定、手が入るようなスペースも無いし、中も覗けない。


スライドドアは四角いし、下の方はすぼんでいるので日本海溝みたいなもんだよ!


「これはまず無理ですよ!手は入らないしカードの位地も判らないし、どうしようもないです。」


(諦めて帰ってくんないかなあ?大体、なんでそんな所にカード落とすかなあ?)


若い兄ちゃんはもう半分パニック状態


「なんとかならないかなあ!なんか無いかなあ?」


(おいおい、あんたが半泣きなのは自業自得だよ。俺まで巻き込まんでくれ!)


ついに、兄ちゃんは金属製のメジャーを引っ張り出してきて、ドア内側の穴から伸ばしたメジャーで下向けてつつき始めてしまった。


(おいおい、下に落ちてるってのに、上からつついても出てくる訳なかろうもん!)


そのうち、電話で車検の呼び込みをしてた担当の若い職員も出てきた。「どうなりました?」



ああ~!  もう判ったよ!カードを取りだしゃいいんだろう!カードを!



横に出てきた若い職員に。 「お前。すまんが手伝ってくれるか?」 「はい。いいですよ。」


よっしゃ!一人じゃ無理だが、2~3人いりゃ大丈夫!


最初からこの方法しか無いのは判ってたが、


一見の客が諦めてくれりゃと思い黙ってたんだ。(割に合わない仕事や!)



さて・・・・・・



スライドドア全体をクルマから取り外し・・・・・・・・


お客と、若い職員の二人がかりで外したスライドドアを逆さまにして・・・・・ 2~3回揺すったら、



スライドドアの中から、カードがポロッと簡単に落ちてきました。



「うわ~!! あった!あった!  よかった~!!ありがとうございます~!!」


なんとまあ、よっぽど困ってたんだろうねえ。喜び方も尋常じゃない。


「いくらでも請求してください!いくらでも払います!」


さて・・・・  外すのにも苦労するんだから取り付けも面倒だよ。スライドドアは。


「あのねえ、ひょっとしたらドアの立付けが多少悪くなるかもしれないけども・・・」

(もう遅いから、微調整してる手間が惜しい。ボルト・ナットだけキッチリ締めたんで勘弁して欲しい。)


「いやあ、そんな事は全然かまいませ~ん!社用車ですから!」

(そんな問題か?)


さっきまで地獄のどん底にいた兄ちゃんはすっかり上機嫌判りやすい。


さて、元通りスライドドアもクルマに付いて・・・


「あの~、いくらになります?」


「そうやなあ。ハッキリ言って、まともに工賃貰いよったら1万円以上(ハッタリだよ)はもらわなならんけども・・三千円でええよ。」



「ええ~!! 本当に三千円でいいんですか?」


「うん、ええわ。領収書は?」


「要りません。会社に怒られて、個人持ちですから。」。(領収書貰っても、金は出ないちゅうこっちゃ)


大体そんな事だろうて、会社に入って来た時からの慌てようから薄々判ってはいたんだけどね。


大喜びで帰っていった兄ちゃんでした。


おいおい、もう8時40分過ぎてるよ。帰ったら9時過ぎかよ。


若い職員に、「おお、すまなんだのう。手伝わせて。」


「いえ。あの兄ちゃんがほとんど力入れてたんで、僕はほとんど力使ってなかったです。」



大体において、お客の自分の不注意。


いつも、僕が客に謝ってるような、うちで整備したクルマのクレームとは訳が違う。


2万円じゃっちゅうても金貰ったろうとは思うけども、(一見だし、県外ナンバーだから顧客になってくれる確率も低い。)


やっぱ、自分自身が貧乏性だねえ。


三千円より高い金額知らんのとちゃうか?五千円でも安かったよなあ?


三千円じゃボランティアみたいなもんやったなあ。


でも、まあ。情けは人の為ならず!ってね。そのうちいい事あるでしょうよ。