飛び入り
昼過ぎに、納車に出てた工場長がわあわあ言ってきました。(いや、彼はいつも自分の言いたい事しか頭にないから喋り方が一方的なのです。)
「さっき、○○スタンド(ガソリン・スタンド)から連絡があって、大型の観光バスのファンベルトがとんで、・・・・・・・・・・・・・・・・
・・・・・・・とにかく、ここへ寄るそうやから、みてくれ ちゅうこっちゃ。」
「ようするに、無くなったベルトと同じ物を手配して、取り付けてくれ ゆうことやな?」
聞けば、物凄く大きな観光バスだとか。
「そんな大きなバスはうちの敷地に入るんか?」
工場長「わからん!いけにゃ(ダメなら)、道路端横付けで見にゃいけまいが!」
フェリー乗り場近所のガソリン・スタンドも、なにもうちの会社を紹介してくれんでもええのに。(飛び入りのお客には大変ネガティブなんだよ、俺は!)
やがて、小一時間後。 工場内のリフトで、三菱デリカワゴンのマフラー交換に四苦八苦してる整備士の横についてたら、事務員の女性が・・
「さっき、言ってたバスやなかろうか? 入ってきたけど・・・」
うわ~!こりゃでけえや? 寸詰まりの観光バスや。
全長7メートルにちょん切ったマイクロバス・サイズのやつやね。 誰や?でっかい観光バスちゅうたんは!
しかし!結局、このサイズが問題。
初めて見たけども、このサイズに、大きな8,2リッター(8200㏄)直列6気筒のエンジンが、リヤのトランクのスペースになんと、ミッションといっしょに横置きになってたのです。
普通はエンジンが縦置きでファンベルト(正確にはパワーステアリングベルトとか、エアコンベルト。ラジエーター用のファンベルトは別の位置についてると思ってました)が後ろ向いてるかと思ってたのに、横置きエンジンでそのままファンベルトもエンジンじか付けでラジエーターとのスペースも極小。
作業性はハッキリ言ってよくない。最後部の座席を取り外さなきゃ作業できませんでした。
しかし、ビックリしたのは、このバスの運転手さん。こういう事体を想定してたのか?ベルト三本クルマに常備してたのです。
なんじゃ、そりゃ?じゃあ交換するのも練習しとけよ!運転手さん。ってなもんですよ。
結局、このクルマを整備した工場が、ベルト調整用のネジをロックしてなかったとかで、それが原因でベルトがゆるんで磨耗して切れた可能性が大。運転手さん、磨耗してボロボロになって残ってたもう一本のベルト(大体、このサイズのエンジンはファンベルトが二本掛けなのです。)を証拠品として持ち帰りますって言ってました。 うちも、同業者として他人事じゃないんだよなあ。
車検なり、整備したクルマが遠隔地で故障すると、こりゃもう、大変なトラブルになるんですよねえ。
やれやれ・・・ くわばらくわばら。
それはそうと、三菱デリカワゴンのマフラー交換で四苦八苦してた同僚。どうにも、新品のマフラーが所定の位置に納まらない。
僕が横について見てたんだけども、そのうち気付いた。
「おい、サスペンションのスペースが足りないんだから、ジャッキで上げてみろや!」
ジャッキで車体を持ち上げてリーフサスペンションの隙間を数センチ広げたらスパッと入っちゃった。
僕は整備の仕事を離れて6年にもなるんだ。同僚は現役でやってるんだから、僕よりも早く判断できないでどうするんだ?
やれやれ・・・ くわばらくわばら。 (で、くわばらってどういう意味なんでしょ?)

