以前雑誌で紹介されていたのを見て
なんとなく気になっていた作品ですが
先日やっと本屋さんで発見したので読んでみました

ざっくり言うと
テーマは『体から始まる純愛』
とのこと
なんだかよくありそうな話な気もしながら
ラブストーリー大賞を受賞している作品というのに興味があって読んでみました

結果として、読んで納得のなかなか素敵な作品でした

主人公の女性目線、相手の男性目線、最後は『ふたり』と書かれたタイトルからなる三部構成
268ページとかなりのボリュームのある作品でしたので
いつもは一気読みする私もちょっとずつ休憩しながら読みました
昨日ちょうどお父さんと
やっぱり冒頭の文章のかんじって大事で、そこでこの本読んでみたいなとか思うよね
と話していたのですが
この作品はその点はまあまあかなというかんじで
最初の方の様々な比喩表現も
西加奈子さんの個性的で圧倒的なそれと比べてしまうと
どうしても劣ってしまうような印象があり
最初の、彼氏もいらないし、結婚もしたくない、誰かと生きていくなんてまっぴら、体だけの関係があればいいという主人公の章は
また間違って買ってしまったのかと感じさせられる官能小説ばりの文章で
なかなか読み進めるには迷いがありましたが
読み進めるうちに穏やかであたたかい気持ちになる作品で安心しました

この賞の審査員であった方々の選評が最後に書かれてあり
石田衣良さんの選評には
『スピーディーで感傷的な表現がなく、好感をもった。しかし折り返し点で男性視点になると、とたんに失速』
とありましたが
私はさっぱりとした、身も蓋もない発言ばかりする主人公と
そんな彼女に恋をし、不安にかられながらも彼女を待ち、しっかり彼女を受け止めようとする彼の性格や
人を好きになるという気持ちが生まれはじめ、少しずつ相手との距離を縮めていく主人公のとまどいや葛藤も含めたテンポというか文章構成に感じ
近づいてゆくことへの躊躇や恐れを感じるテンポから、ふたりで歩んでいこうと変化してゆく穏やかな文章は
とても好感を持てましたし、焦らされることなく、読み進められる心地よいもので
その点でもなかなかな秀作であったように感じました

文章の上手さというか、独自の着眼点というもので圧倒されるような作品ではないかもしれませんが
やはり本というものも、いつもドンペリを飲まされているような気分になっては読書にも体力がいるし
こういう茶碗蒸しのような、あったかい宝箱のような、読み終えてじんわりあたたかくなれる作品が私はとてもいいなと思います

本編に登場する食べ物で表現してみたので、読んでいない方には伝わりづらい表現ですみません…(・_・;)
ただ一つ、残念だなと思っていたのは
なんで栞の紐がオレンジなんだろうということでしたが
作品の雰囲気なら淡い水色とかならキレイだったのにとか思っていましたが
最後まで読んで、その点も納得!
私が思う以上に、よく考えられた作品でしたm(_
_)m私はいつも直感でその時読む本を選んでいますが
今回の作品の中でも私がよく使う
『気持ちがざらざらする』
という表現や
最近とても好きだなと感じる東京タワーの話が出できたりと
なんだか不思議な縁というか
今、読むべくして読んだ作品なんだなとか感じました

随分とまた長々書いてしまいましたが
興味のある方は読んでみて下さい(*^^)
