続きです。




結局、高校時代の彼Hとは

私の胃潰瘍を機に別れました。


会社を7月で辞め、

働かないといけないと思い、

胃潰瘍を患ってから休職していた頃に

駄菓子屋さんに置いてあった

格闘ゲームにハマり、

一番栄えていた街のゲームセンターに

アルバイトとして入社しました。


私の勤めていたゲームセンターの周りには

他の競合店が建ち並んでいましたが、

1プレイ50円の相場が一般的でした。

然し、私の勤めたゲームセンターでは

安い設定だと客層が悪くなるという理由で

1プレイ100円だったので、

客層は良かったのですが

お客様の入りが悪かったです。


当時は格闘ゲームの対戦が

とても流行っていて、

私は休憩時間や

仕事終わりに

向かいのゲームセンターで

格闘ゲームを楽しんでいました。


そこで格闘ゲームを通じて出会ったのが

H.Tでした。


2浪していた男性で

遠くの街からJRで

私の勤めるゲームセンターの近くの

予備校に通っていた人でした。


やはり、前回の元彼と同じで

何度も告白され、

私はゲームもしたいし、

向かいのゲームセンターの常連でもあり、

しょっちゅう顔を合わせるのもあって

交際する事になりました。


H.Tは私の1つ年上で、

午前中の予備校の授業が終わると、

家人には

「自習室で自習している。」

と嘘をついて

ゲームセンターに入り浸りしていました。


当然、今で言うニートのようなものだったので

お金もあまり持っていなくて、

次第に私はたかられるようになりました。


煙草、コーヒー、夕食代・・・。


そう、H.Tは

私を今で言うATMと思っていて、

お金が無くなると

私にお金を要求するように・・・。


言う事をきく私も悪いのですが、


「彼氏彼女というものは

こういう関係」


と思っていたのです。


H.Tの予備校友達や

私の勤めるゲームセンターに遊びに来る

高校生軍団とも友達になり、

そこそこ楽しい毎日を過ごしていましたが、

ある冬の日を境に

私の小中学校の時の同級生で

1浪して予備校に通っていたT.Tが

終電間際に帰っていた私を

自宅まで送ってくれるようになりました。


電車から降りると、

Tの家は駅の西側方面なのですが、

真逆の東方面に帰る私を

わざわざ送ってくれるのです。


いや、別に普通に徒歩で帰れます。

まぁ、途中、

街灯のない道を通りますが、

たった1kmくらいの距離なので、

ひとりで歩いた方が早かったのですが、

Tは

「あーちゃんは女の子やけ

夜の道をひとりで歩かせられんよ。

これから俺が毎日送るけ。」

と、さも当たり前のように言いました。


それからは

私が終電間際に帰る日は

Tは必ず送って帰ってくれるようになりました。


暫くして

センター試験があり、

二次試験があり、

勉強もせずに遊び回っていたH.Tは

受けた試験全て落ち、

3浪になりました。


当たり前ですよね。


そんな時、

T.Tは他県にある外国語大学に入学が決まり、

私は合格おめでとうパーティを開きました。


その日の翌日、

T.Tが帰り道で言いました。


「H.Tちゃんが、あーちゃんの事を

ただの金づるって言って、

30万円の革ジャン買わせたら

別れるって言いよった。

あんなヒモ男はやめて

俺と付き合わん?

遠距離にはなるけど、

俺はちょくちょく帰って来るし

寂しい思いはさせんけ。」


やっぱりか・・・。

H.Tは私に

一度も何かを買ってくれたり、

奢ってくれたりした事はありませんでした。

缶コーヒー1本、

煙草1箱、

そんな消耗品すらも。


それどころか、


「俺、これが欲しいけ買って。」


と、クリスマスプレゼントに

当時爆発的に流行った

MA-1のブルゾン(3万円相当)を

買わされました。


当然、私には一切何もくれずに。


そんな関係でも、

知り合った皆、

H.Tとの共通の友達でしたし、

別れるとその友人関係まで

崩れてしまう気がして、

別れを告げませんでした。


でも、真実を聴いてしまえば別です。


私はその日から

徹底的にH.Tを無視し続け、

自分の事を大切に想ってくれていた

T.Tとの交際を始めました。


その頃、

神奈川県で働くつもりでいた私が

珍しく家にいると、

宵の口に

高校生時代の元彼のH.Hから

電話がありました。


母が電話を取り、


「H.Hくんから電話よ。」


と取り次いでしまったので、

仕方なく電話を代わりました。


「今更、何の御用でしょうか?」


開口一番、

私は冷たく言いました。

H.Hが


「・・・いや、その・・・。」


と、口篭るので


「あなたは3年間、

私に何をしてきたか

お分かりでしょうか?

気分次第で殴る蹴るして犯して、

その事実から逃げて。

で?今更、私に

俺が悪かったから

また付き合おうなんて言うつもりですか?

私は最初から

あなたに特別な感情を抱いていませんでした。

それは交際する前に

何度も申し上げたつもりですが、

頭大丈夫ですか?

私はもうあなたの事は

サッパリ忘れていました。

それくらいどうでも良い存在、

という事です。

ご理解頂けましたら、

もう二度と電話を掛けて来ないで下さい。

私から言える事は以上です。

それでは失礼致します。」


と一方的に告げ、

電話を切りました。


来月から

次姉の家族が住むマンションへ引越しました。




続きます。