もう忘れたといいながら
ちっともあなたを忘れられない私は
また余計なことをした。
でもそれは
あなたの手がもしかしたら指まで動かなくなると聞いて
いてもたってもいられなかったから。
あなたの手が動かなくなろうと
難病だろうと
私には何一つできないことなんて嫌というほどわかってる。
それでも
何かできることはないかと
ただじっとしていられなかっただけなんだよ。
あなたがその道のエキスパートのところに通院してることだって
話を聞いていればわかる。
そうでなければ普通あんな病院まで行ったりしない。
そこら辺の整形外科医なんかの話
今さら聞くまでもないことぐらいわかってるよ。
回答の内容だって、全然取るに足らないものだと、私だって思った。
ほんとは、破天荒とも言える彼女なら、何か意外な回答を持ってるんじゃないかと
期待して質問したのだけれど、正直答えは期待はずれ。
それでも、手術の結果、指が動かなくなるということはあまり聞かない、
という点に若干でもホッとして
それが事実であろうとなかろうと
あなたには当てはまる内容でなかろうと
あなたに伝えようと思っただけなんだよ。
名医だって知らないこともある。
いろいろな理論だって、後になって変わることもある。
別の人に話を聞けば、何か意外な話が聞けたりするかもしれない。
だって、ガン患者を名医のところに連れて行って
吉本のなんばグランド花月に行きなさいとは言わないでしょ?
でも実際は、ガン患者を3時間大笑いさせたら
ナチュラルキラー細胞が4倍にも増えたっていう実験結果だってある。
下手な抗がん剤よりよっぽど効果があるかもしれない。
私だって、名医が知らない事実を知っている。
「え?どうして?そんなこと知らないわよ。医学的にそんな関連はないわよ。」
と言われたけど、
「経験上知り得た事実ですから。確かですよ。覚えといてください。」
と教えてあげた。まぁくだらないことだけど。
人間の身体のことなんて、まだまだ人間の知らないことだらけだよ。
難病は、原因も治療法もわからないから難病なんでしょ。
だったら、その道で一番有名な先生だって治し方がわからないってことだよね。
もしかしたら、その辺に治療の糸口が転がってるかもしれない。
民間療法だって俗説だって、
あなたの病気に何か良さそうなことがあればと思ったんだよ。
あなたがどう思ったのかわからない。
ありがとう、という言葉はあったし、
もしかしたら、うれしいと思ってくれたのかもしれない。
でも、あの手紙では、とてもそうは思えない。
日本に数人しかいない専門医にちゃんと診断してもらってるのに、
無駄なことを。
そういうふうにしか思えなかった。
あなたの手紙嫌いは知ってる。
あなたが思っていることをちゃんと私は汲み取れていないのかもしれない。
でも、もう余計なことはしない。
勝手に心配して、押し付けたりしないから。