時々、止まっていた気がするんだ。
時計の針は、午前4時。
遠く彼方の藤色の空と、
直ぐそこで大らかに咲く桜が、
僕の【君に逢いたい】って気持ちを
確かに急かして行くよ。
時々、止まっていたのは何だったんだろう。
朝は、まだ寒いから、
とりあえず先にミルクいっぱいのココアを飲んで、
体を温めたら、
コートを羽織って外に出よう。
時々、止まっていたのは僕の気持ちだったのかな。
君んちの少し手前、
大きなゾウさん滑り台のある公園を、
静かに横切って、
少し、ゾウさんに、
【ガンバレヨ】なんて励まされながら、
歩く足取りは、とても軽いんだ。
時々、止まっていたのが動いたのは太陽のおかげかな。
今もアナログ仕様のアパートの、
3階、君んちの前に立って、
とりあえず、そこで深呼吸したら、
静かにインターホンに指をかけるよ。
時計の針は午前6時。
【君は、まだきっと寝てるだろうな】
そう思ったけど、ゴメンね。逢いたかった。
時々、止まっていたのはこの瞬間の為かもしれないな。
『ねぇ、桜が咲いたよ。春が来たんだね。』