ロックと共に年をとる | ACMAオフィシャルブログ「あくまでACMA。」Powered by Ameba

ロックと共に年をとる

西田浩著「ロックと共に年をとる」。

これも新聞広告を見て書店でゲット。
さっそくスタジオへの移動中に読みました。


読売新聞でポピュラー音楽を担当し、ポールマッカートニー、ジョージハリスン、ジェフベック、ロバートフリップ、キースエマーソン、オジーオズボーン、二ールヤング、ポールアンカ、ビリージョエル、マライヤキャリーなど300をゆうに超えるアーティストを取材してきた筆者。

新旧さまざまなアーティストの裏話や、自身が愛してやまないプログレを熱く語る文章はとても面白く、一気に読みました。

ロックと共に年をとる (新潮新書)/西田 浩

¥714
Amazon.co.jp


ロックそのものが生まれてからすでに60年近く。

この本の筆者がいうように、「若き日々の葛藤や心の叫び、反体制や反骨の精神を託した若者による音楽」という一般的なロックの定義に違和感をおぼえるのも当然かもしれません。


かつてジムモリソン、ジミヘンドリックス、ジャニスジョプリン、カートコバーンなど多くのロックスターが若くして命を落とし伝説になりました。彼らは偶然にも全員が享年27歳。ほかにもマークボランは29歳、シドヴィシャスにいたってはなんと21歳で亡くなっています。

しかし今は逆にボブディラン、ローリングストーンズなど還暦をすぎてなお現役で活躍する大物も少なくないし、10-20代のファンが熱狂するバンド、たとえばオアシス、レディオヘッド、レッドホットチリペッパーズなどバンドのメンバーも40代。2000年以降にブレイクしたスタジアム級のバンド、コールドプレイやリンキンパークなどのメンバーも30代で、20代で大物感のあるスターとなると、なかなか名前が挙がってこないくらいだという。


若くて良いバンドがいないというわけではなく、逆にたくさんいます。ただ彼らの音楽の多くはロックの伝統に基づいていて、大人のロックファンが聞いてジェネレーションギャップを感じることはまずない。「40代後半にさしかかった筆者も、フロアにいる10-20代の若者のモッシュ・ダイブにはさすがについていけないと思うが、ステージで演じられていることにはさほど違和感を覚えない」そうですが、それって凄く分かります(笑)。

筆者は「ロックルネッサンス的な動きが長く起こっていないことも、ロックの伝統芸化に拍車をかけている」といいい、「そろそろ次なるルネッサンスが起こらないとロックは本質であるアンチの精神を失ってしまうのでは、と危惧する一方で、一中年ロックファンとしては、このままでもいいのかなと思っている。」と書いていて、これも凄く分かる気がします。

「半世紀の歴史を重ね、しっかりと年輪を重ねてきたロックは、もはや上の世代を否定する音楽ではない。」たしかに。

逆に、幅広い世代をつなぐ共通のエンターテインメントとしての機能を果たすようになっていると思います。


自分は、今は「世代」でない何かが僕たちを分断していて、ロックとか音楽はそれに対する「叫び」になりえるんじゃないかな、なんて思ったりしてます。


ちなみに自分もかつては27歳で死ぬのかと思ってました(笑)。

死ななくてよかったです(笑)。
絶対今の方が成長してるし、いいものが作れるので。

新作が現段階での自己ベスト。そしてもうその次も考えてます。

2010年12月15日 DRAGON GATE RECORDS より発売
ACMA NEW ALBUM 「ALIEN ALIEN ~エイリアン営利案~」
http://ameblo.jp/acma-jp/entry-10683281206.html


(by HIKARI)