

本の一部を掲載します
銃で撃たれても死なない人と会いました
Part12:3発撃たれた不死身の男
メキシコシティから南東に100kmほど行くとPuebla(プエブラ)という都市があります。
プエブラは1532年、スペイン人のキリスト教宣教師によって建設されました。
とにかく街中にはいたるところに教会、教会、教会、
これでもかというくらい視界は教会だらけです。
プエブラには全部で365の教会が存在し、ヨーロッパのバロック様式と先住民の美的感覚が融合した美しい建物が乱立します。
出張でこのプエブラの取引先を訪れた時のお話です。
取引先の社長「僕は不死身のスーパーマンと言われてるんだ。なぜかわかるかい?」
僕「あの世へ行って戻ってきたとか?笑」
取引先の社長「おー 近いよ。僕は過去、マフィアに撃たれたことがあるんだ、至近距離で3発も。
それでもこうして生きてるから不死身と言われているんだよ。」
僕「・・・」
身体の銃痕を見せてくれました。
確かに3発あります。
取引先の社長「今は笑い話になったけど、本当に死にかけたよ。
なぜ撃たれたか。マフィアのみかじめ料さ。
この一帯を支配していたマフィアのボスが殺されたんだ。
そうなるとその下部組織の統率がとれなくなり、いくつものマフィア組織がうちにみかじめ料を要求してきたよ。
全てに払うなんてことは到底無理で断ったんだ。それでマフィアと揉めた末、見せしめに3発だよ。」
社長Aは笑って話してましたが、僕は銃痕から目が離せませんでした。
マフィアから銃を向けられて撃たれた社長をリアルに想像し背筋に寒気を感じながら、
「不死身で良かったですね」と言うのが精一杯でした。